2014-01-01から1年間の記事一覧

志野茶碗

2014年 高9.5cmx口径12.3cm 大雑把な筒型に轆轤引きしたものを箆で削り、少し歪ませて成形しました。去年、今年と何度か国宝の「卯花墻(うのはながき)」を観る機会がありましたが、その作為は徹底していました。上から見るとほとんど三角に近い楕円形…

井戸茶碗

2014年 高9.3cmx口径15.4cm 性懲りもなく、大井戸茶碗に挑戦してみました。国宝の喜左衛門井戸とほぼ同サイズです。もうちょっと胴に膨らみを持たせた形の方が一般的かもしれませんが、やり過ぎると丼ぶりみたいで品がなくなってしまいます。小林秀雄が…

鳴海織部鍵盤文四方鉢

2014年 高7.5cm、径26.3cmx25.5cm 赤土と白土を繋ぎ合わせ、赤い面に白泥と鬼板で文様を描き、白土部分には緑釉をかけて焼いたものを「鳴海織部」と言います。この鉢は知人のピアニストに記念品として贈るために作りました。器の中にピアノの鍵盤、外側…

深大寺紅葉

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 遠出ができない休日の深大寺も我家の定番です。神代植物公園の駐車場に車を停め、公園内を通って裏門から出ると、こんな景色が広がっています。今年の紅葉は特に鮮やかで、日が射すとそれはもう息を呑むほどでした。 雑…

総織部稲穂文・葡萄文皿

器胎の全面に緑釉をかけて焼いたものを総織部(そうおりべ)と呼びます。成形時に箆(へら)などで文様を彫っておくと、釉が溜まってこんな風にくっきりと浮き出します。 2014年 各 高4.5cmx径17cm 桃山時代の総織部は、縁まで凝った線刻が施されている…

鼠志野亀甲文茶碗

2014年 高7.9cmx径13.5cm 鼠志野の名品茶碗「峯紅葉(みねのもみじ)」を写してみようとしたのですが、釉が厚くかかり過ぎ、亀甲文すら定かでなくなってしまいました。でも、それはそれで、全面カイラギのような器肌もなかなか面白味はあると思います。…

並木の欅

2014年 27cmx22cm 紙、鉛筆、水彩 毎日通る並木道の欅が年々立派になり、古木らしく樹皮の剥がれているものも増えてきました。季節によって、朝の陽射しに映える幹の模様は洒落たパッチワークか、古色がついた宝の地図のようで、いつか描かねばと思って…

織部扇面向付

2014年 各径19cmx18cm、高5cm 桃山時代の本歌をほぼそのまま、但しサイズだけは現代の食卓に合わせて一回り大きく、写してみました。新しい型を使っての試作品なので、あまり完成度にはこだわらず気楽に作りました。ただ、実際にやってみるまでわからな…

御神木

2014年 27cmx22cm 紙、鉛筆、水彩 うちの近所に大宮八幡という神社があります。お馴染なのに全然知りませんでしたが、創建は1063年で鶴岡八幡宮と同年だそうですから、なかなかに由緒正しい社です。赤い鳥居をくぐって参道を進み中門を抜けると、左…

志野茶碗

2014年 高8.5cmx径12.5cm ようやく少しはマシな志野が焼けるようになってきました。口縁の辺りにもうちょっと赤味が欲しいとか、まあ欲を言えばきりがありませんが、今回こだわった「白」には一応納得です。 桃山時代の志野が再現できない理由の一つは長…

通天橋

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 9月の終わりに京都に行ってきました。東福寺の通天橋は、豊臣秀吉が一面の紅葉の中、民衆の喝采に応えた花道として有名な場所ですが、さすがにまだちょっと早すぎたようです。でも絵を描いてみると、ほんの一瞬 全山朱…

織部稲穂文・注連縄文向付

2014年 各 高6cmx幅15.5cmx奥行15cm 桃山時代の織部焼は、茶碗や水指といった所謂茶席の主役ではなく、主に懐石の器として爆発的に流行していきました。向付(むこうづけ)もそういう食器の一つです。膳の飯碗と汁椀の奥に、大抵はお造りを盛って置かれ…

2014あさごアートコンペティション

本日から開催されている第3回あさごアートコンペティション[会場:あさご芸術の森美術館(兵庫県朝来市多々良木739−3)/会期:10月4日(土)〜11月9日(日)]に“DYLAN”を出品しています。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。 http://d.h…

盃、ぐい呑

2014年 左・高3.8cmx径8.5cm、中・5.3cmx7.4cm、右・4.5cmx6cm 古い写真で見た小林秀雄旧蔵の井戸盃が何ともいい形をしていたので、写しを作ってみたのが左の杯です。焼き上がると実物よりちょっと小さくなりましたが、形はまあまあ上手くいきました。ま…

本牧

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 本牧ふ頭で横浜港シンボルタワーに登り、羽田空港方面を見て描きました。画面左側からずっと連なるのは川崎の重工業地帯です。入場無料の展望台は高さ40メートルぐらいあって、船が往来する海面をやや上空から見下ろす…

吐竜の滝

2014年 32cmx41cm 紙、鉛筆、アクリルガッシュ この夏はずっと東京にいました。せっかくの休みなのに…という訳で、8月下旬、ほとんど観光客がいなくなったのを見計らって、清里、小淵沢方面を日帰りドライブしてきました。思えば大学生の頃、友達に誘わ…

唐津ぐい呑三様

2014年 左・高さ5.5cmx口径7.8cm、中・5cmx7.3cm、右・4.8cmx6.5cm 思い立って、またしばらくぶりに轆轤を回し始めました。プロの陶芸家が毎日土を捏ねるのは当然としても、生半可な指導者に限って日々精進しろとうるさかったりします。曰く、「一日轆轤…

勝鬨橋

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 台風一過の月曜日、夏休みの特権を生かし、朝っぱらから築地通の知人と一杯やってしまいました。場内は久しぶりでしたが、外国人観光客がやたら増えたのと、美味い鮪のステーキを出していた洋食屋がなくなっていたのが…

台湾閣

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 新宿御苑に、皇太子(後の昭和天皇)御成婚を祝して台湾在住邦人から送られた、旧御凉亭という建物があります。東京では珍しい、本格的な中国式の建築物ですが、あまり訪れる人はなく、いつもひっそりしています。『新…

最近読んだ本②

『欅』2008年 19cmx14cm 墨、木版画 ・『自分の壁』養老孟司(新潮新書2014年)…あとがきに記してあるように、『バカの壁』や『死の壁』同様、口述による本です。著者自身認めていますが、プロの編集者がまとめた本は、独りで原稿を煮詰めていったものよ…

2014年 27cmx22cm 紙、鉛筆、水彩 真夏の早朝、井の頭公園で描きました。欅は武蔵野市の樹木だけあって、園内にたくさんありますが、中でも一番立派なのがこの木です。10年ぐらい前にもこの同じ木を水墨で描いたことがあり、その後、それを下絵にして木…

向日葵畑

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 先日、青梅街道をドライブ中に街中の黄色い畑を見つけました。地方には観光用の向日葵畑も珍しくありませんが、都内でこの規模はかなり頑張ってる方だと思います。気になったので、数日後、早起きして描いて来ました。…

最近読んだ本①

昨晩、仲間と一杯やりながら、本の話になりました。世間では皆、必要な教養や知識を身に着けるために、読書の大切さを言いますが、私にとってはあくまでも娯楽です。本によって、面白いことを考える道筋に光が射すことはありますが、だから頑張って読まなき…

サングラス

2014年 22cmx15cm 紙、鉛筆、水彩 クラシックスタイルのこの形が気に入って、もう30年くらい使い続けています。黒と鼈甲色と合わせて10個くらいは買ったと思いますが、壊れたり失くしたりで、今、手元に残っているのは2つだけです。その内一つは“DYL…

腕時計

2014年 14cmx16cm 紙、鉛筆、水彩 初めて彫刻が買い上げられ、受け取った代金の半分は、早速その帰り道にこの時計に化けました。今でこそ電波やソーラーのものが当たり前ですし、当時もクォーツが主流でしたが、あえて機械仕掛けの自動巻き時計を買いま…

ジャクソン・ポロック

2014年 63cmx22cmx68cm 麻布、樹脂、漆、木、鉄、革、塗料 昨年つくったポロック像ですが、観ているうちにだんだん気に入らないところが目についてきて、ちょっと手を入れました。 どうせ直すなら…という訳で、写真にも少しだけ力を入れてみました。でも…

東大寺南大門金剛力士像(吽形)

2014年 19cmx18cm 和紙、木版画、墨、裏から着彩 かなり前に描いた絵を下図にして、木版画をつくりました。本当は多色刷りにしたかったのですが、時間がなかったので、墨版だけの作品になりました。60枚のうち、既に50枚はそのまま配ってしまいまし…

三条大橋

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 京都の宿は三条大橋の袂でした。修学旅行3日目の朝、生徒たちを全員送り出した後、鴨川に面したスターバックスのカウンター席から東山の方を見て描きました。この日も天気予報では雨でしたが、時折青空までのぞき、結果…

三十三間堂・曇り空

2014年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 関西に今年の梅雨入り宣言が出されたのが修学旅行の2日目でした。この日は昼を挟み、班行動チェックをするため、2時間半ほど三十三間堂にいました。今やここも殿様商売で、入れ代わり立ち代わり観光バスがやってくる、…

興福寺五重塔

2014年 27cmx22cm 紙、鉛筆、水彩 6月初めの暑い奈良で、陽射しを避けるため、隣の東金堂の基壇に座って描きました。興福寺では皆、必ず阿修羅像のある国宝館に行列しますが、東金堂まで入る人は少ないのでゆっくりスケッチできました。班行動する修学…