花曇り

2024年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 ようやく東京の桜が満開日を迎えたのは4月4日でした。ただ場所によって時間差があり、その日になって未だ五分咲きというところもありました。TARO美術館と同じ生田緑地内にある枡形山広場も、少し標高があるせいか、や…

本門寺五重塔

2024年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 本阿弥光悦揮毫の扁額(レプリカですが)を観に、三十何年かぶりに池上本門寺に行ってきました。私が最初に勤めた学校は、同じ大田区内にあり、毎年10月には御会式(おえしき)パトロールというのをやっていました。御…

學校 ④

今回の「學校」は方位も考えて展示しました。原爆ドーム実物の正面は元安川に面して西向き(ちょっと暗示的ですね)なので、この作品でもそうしました。↑は東面、↓が西面です。四方に構造材を兼ねた本棚を設置する必要があったので、どうせなら四神相応を意…

世界連邦ポスターのための参考作品

2023年 38cm×54cm 紙、ポスターカラー 中学2年生の最初の課題はポスター制作です。学校には様々な役所や団体からポスターの募集が来ますが、あまり政治的、商業的なものはNGです。その点、世界連邦運動はアインシュタインやバートランド・ラッセル等、設…

學校 ③

ニヒリスティックに言えば、人がつくったものの中で一番美しいのは、遺跡だと私は思います。「日本のマチュピチュ」と呼ばれる(のはちょっと気の毒ですが)竹田城跡など見応え充分です。平地からボコっと盛り上がった山の稜線に、温かい砂色の巨石が寝そべ…

學校 ②

2024年 430cm×450cm×450cm mixed media 私の造形制作における基本原則がいくつかあります。取り敢えず思いつくままに挙げると…。 ①一人でつくるということ。私自身がとてもせっかちで衝動的なので、人との協働に向いていません。それに、美術制作=優雅…

學校 ①

2024年 430cm×450cm×450cm 麻布、樹脂、漆、木、鉄、発泡スチロール、本、机、椅子、他 3月に入りました。そろそろ写真を出しましょう。現在TARO美術館で展示中のこの作品「學校」について、パンフレットに載せた私のキャプションは以下の通りです。 196…

木彫アルバム

2023年 22cm×22cm×厚さ5cm 桂材、塗料、アルバム台紙、金具 TARO賞展会期中、出品作家は閲覧用のポートフォリオを会場に置かねばなりません。前回のファイルをそのまま出してしまおうとも思ったのですが、ちょうど中学2年生が制作中のアルバム用桂材(1…

TARO賞展

第27回岡本太郎現代芸術賞展が本日から始まりました。私の出品は21,23,25回展に続いて四度目になります。奇しくも奇数回ばかりですが、流石にこれだけ広い展示スペースを、毎年毎年納得する形で埋め尽くすのは不可能です。今回の私の作品アイデアは、25回展…

六窓庵

2024年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩 上野の国立博物館で開催中の「本阿弥光悦展」に行ってきました。平日の朝ゆえ混雑もなく、ゆっくり観て回ることができました。あちこちの美術館で光悦作品が公開される度に私は足を運んでいるので、今回 初対面のもの…

へぎそば屋

2024年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩、雪 急に思い立って独りでスキーに行く途中、十日町の由屋に寄りました。上越地方は大雪予報が出ており、道が混むことも想定して早く家を出たのですが、思いの外順調で開店より30分も前に着いてしまいました。しばら…

作品搬入・設置

第27回TARO賞展の搬入・展示作業が始まりました。美術館に運び込んだ時はご覧の様なカオス状態です。ここから2日間、制限時間内で設営を全て終えなければなりません。 当たり前のことですが、作品というのは、ただつくるだけでなく、展示場所まで運んで組み…

雷門

2024年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩 近くまで行く用事があったので、正月の浅草に寄ってみました。松の内は過ぎていましたが、コロナの規制もなく、おまけに円安なので、雷門前は修学旅行生に加えて外国人観光客でごった返していました。通りを挟んで向…

乙女峠からの富士

2023年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩 12月半ばに日帰りで箱根までドライブしました。別に計画していた訳ではなく、岡本太郎美術館に打ち合わせに行った後、駐車場から見えた富士山に釣られて、何となく行ってしまいました。ずっと下道で、奇しくも箱根駅…

R6辰年

正月早々めでたいなんて言っていられない災害・事故から始まった2024年ですが、いかがお過ごしでしょうか。私は冬休み中 遠出もせず、必要な買物以外は家で大人しく本を読んだり、作品のアイデアを捻り出そうとしていました。大した収穫もなく、気がつくと居…

午後の日

2023年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 多摩霊園にある岡本太郎の墓は赤御影石にブロンズ彫刻「午後の日」が載っています。向かいには母かの子と父一平の墓(それぞれ観音像と太郎作の彫刻)があり、その間(絵の右端)にはこの一家について書かれた川端康成…

春風萬里荘・秋

2023年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 笠間日動美術館へ「藤田嗣治展」を観に行った帰り、また春風萬里荘に寄ってきました。遅い秋の紅葉に彩られた茅葺き屋根がなぜかとても軽妙に感じられました。いつもより暖かい気候のせいでしょうか。或いは描く側の心…

善福寺池

2023年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩 善福寺公園の上の池畔にある東屋から、大きな榎越しに、紅葉を映す水面を描きました。湧水としては枯れてしまった様ですが、ここで地下から汲み上げられる水は、今も杉並の一部地域で水道水として使われているそうで…

井草八幡宮

2023年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 青梅街道と早稲田通りが合流するところに赤い鳥居が立つ、井草八幡宮も相当歴史のある神社です。境内には東北征伐の戦勝祈願に源頼朝が手植えしたと伝わる松(今は二代目)があります。創建は平安時代だそうですが、杉…

払沢の滝

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 二月連続で払沢(ほっさわ)の滝に行きました。10月はこの絵を描きに。11月は秋川の古刹で紅葉狩りをしたついでに、ちょっと足を伸ばして。都内とは言え、ここまで来ると自然が豊かで、本州中央辺りの山奥(実際、それ…

倉沢の大檜

2023年 41cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 奥多摩から日原川沿いを上った尾根に千年檜と呼ばれる大木があると人伝に聞きました。これは行ってみなくては、と早速出掛けました。最寄りの駐車スペースに車を停め、舗装路から細い山道に入って15分位登ったでしょう…

鹿島神宮・楼門

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 先週、知人の結婚式で鹿島神宮に行ってきました。江戸時代創建の赤い楼門は、左右の回廊部分が修繕中で覆いを掛けられていましたが、夕日に照らされて燃え上る様な、その威容は十分描き応えがありました。屋根の下に掲…

井の頭池⑵

2023年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 弁財天の対岸から池と木立を描きました。文字通り御茶の水として将軍の喉を潤した水源はこの目と鼻の先です。井の頭池を出て神田川になり、ウチの近所から、早稲田、御茶ノ水を通って、隅田川へと流れて行きます。今年…

高麗川

2023年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩 高麗川沿いの古民家を観に行った後、裏手の河原を少し歩いてみました。この辺りは護岸と称する醜いコンクリート固めも行われておらず、童謡に出てくる様な日本の小川の原風景がまだ残っています。大きな石に座ってス…

長瀞⑵

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 岩畳から下を覗き込んでのスケッチは、地上との境界を画す空がないと、まるで抽象画です。よく見れば下半分を流れる川がわかると思いますが、崖状の対岸を形づくる岩と緑は適当に絵具を塗りたくっただけと言われればそ…

城ヶ島⑵

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 城ヶ島の東端、房総半島を望む灯台の下から南側にかけて、ずっと迫力のある岩場が続いています。海に突き出した大きな岩に渡ってみました。入江になった陸地の裂け目に波が滑り込んできて、私の足下で砕けます。ちょっ…

巾着田

2023年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 今年は少し時間に余裕ができたので、十何年かぶりに巾着田の曼珠沙華を見に行きました。娘が小学校低学年の頃までは家族で毎年の様に訪れていましたが、昨今のブームで土日の混雑が酷くなり、しばらく足が遠のいていま…

長瀞⑴

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩 長瀞の岩畳の上から対岸を描きました。だいぶ客足は戻ってきた様です。ただ、きっと非常識な観光客も多いのでしょう。「ここから先は立ち入り禁止」の虎ロープがあちこちに張ってあって、見栄えの悪いことと言ったらあ…

城ヶ島⑴

2023年 32cm×41cm 紙、鉛筆、水彩 しばらく海を見ていなかったので、休みの日、朝一で城ヶ島に行きました。着いたら先ずは直射日光を遮る岩陰を探すことからです。太平洋を臨むポイントが南向きなので、全身隠れるのはまあムリなのですが、かなり歩き回…

井の頭池⑴

2023年 25cm×32cm 紙、鉛筆、水彩 ちょうどボート乗場の改修工事中で、邪魔者のいない井の頭池を描きました。今にも降り出しそうで(実際ちょっとパラっときました。)少しは暑さが収まる予報でしたが、途中から日が射し始め、やはり汗だくのスケッチと…