陶芸作品

特大井戸茶碗

2015年 高10.2cmx径16.3cm 今週から来週にかけても宴会は続きます。しばらく忙しく制作どころではない日々ですが、撤収前に作った焼き物がいくつかあるので、当座しのぎに掲載します。 この茶碗、目指したのは大井戸の名品「筒井筒(つついづつ)」です…

志野筒茶碗

2014年 高9.1cmx径12.7cm どっしりとした筒茶碗を作ってみようと思いました。普通の華奢な橋文では面白くないので、武骨な鉄橋のようなイメージで絵付けをしたら、恐竜の骨格みたいになりました。裏は檜垣文です。 焼き上がってから水を入れると見事にダ…

大井戸茶碗

2015年 高9.5cmx径15.2cm 昨年末にたくさん作って少しだけコツを掴んだ勢いで、今年も井戸(挑)んでみました。土が残り少なかったので一発勝負でしたが、邪心を入れずに淡々と轆轤を挽き、糸切りした感じです。でき上がったものを見ると、やや厚みにム…

大井戸茶碗

2014年 高9.4cmx径15.3cm 井戸は熊川(こもがい)や三島などと同じく高麗茶碗のひとつということになっていますが、厳密に言えば違います。井戸茶碗が焼かれたのは高麗時代ではなく、少なくとも15世紀以降、つまり朝鮮時代です。桃山時代の茶人たちが、…

志野ぐい呑

2014年 各高5.3〜6cm、径7.3〜8cm 正月用のぐい呑を織部や唐津など取り混ぜてたくさん作った中で、志野も10個ほど焼いてみました。実はぐい呑という器、そんなに昔からある訳ではなく、昭和30年代から作られ始めたのだそうです。陶芸家によっては釉色…

志野茶碗

2014年 高9.5cmx口径12.3cm 大雑把な筒型に轆轤引きしたものを箆で削り、少し歪ませて成形しました。去年、今年と何度か国宝の「卯花墻(うのはながき)」を観る機会がありましたが、その作為は徹底していました。上から見るとほとんど三角に近い楕円形…

井戸茶碗

2014年 高9.3cmx口径15.4cm 性懲りもなく、大井戸茶碗に挑戦してみました。国宝の喜左衛門井戸とほぼ同サイズです。もうちょっと胴に膨らみを持たせた形の方が一般的かもしれませんが、やり過ぎると丼ぶりみたいで品がなくなってしまいます。小林秀雄が…

鳴海織部鍵盤文四方鉢

2014年 高7.5cm、径26.3cmx25.5cm 赤土と白土を繋ぎ合わせ、赤い面に白泥と鬼板で文様を描き、白土部分には緑釉をかけて焼いたものを「鳴海織部」と言います。この鉢は知人のピアニストに記念品として贈るために作りました。器の中にピアノの鍵盤、外側…

総織部稲穂文・葡萄文皿

器胎の全面に緑釉をかけて焼いたものを総織部(そうおりべ)と呼びます。成形時に箆(へら)などで文様を彫っておくと、釉が溜まってこんな風にくっきりと浮き出します。 2014年 各 高4.5cmx径17cm 桃山時代の総織部は、縁まで凝った線刻が施されている…

鼠志野亀甲文茶碗

2014年 高7.9cmx径13.5cm 鼠志野の名品茶碗「峯紅葉(みねのもみじ)」を写してみようとしたのですが、釉が厚くかかり過ぎ、亀甲文すら定かでなくなってしまいました。でも、それはそれで、全面カイラギのような器肌もなかなか面白味はあると思います。…

織部扇面向付

2014年 各径19cmx18cm、高5cm 桃山時代の本歌をほぼそのまま、但しサイズだけは現代の食卓に合わせて一回り大きく、写してみました。新しい型を使っての試作品なので、あまり完成度にはこだわらず気楽に作りました。ただ、実際にやってみるまでわからな…

志野茶碗

2014年 高8.5cmx径12.5cm ようやく少しはマシな志野が焼けるようになってきました。口縁の辺りにもうちょっと赤味が欲しいとか、まあ欲を言えばきりがありませんが、今回こだわった「白」には一応納得です。 桃山時代の志野が再現できない理由の一つは長…

織部稲穂文・注連縄文向付

2014年 各 高6cmx幅15.5cmx奥行15cm 桃山時代の織部焼は、茶碗や水指といった所謂茶席の主役ではなく、主に懐石の器として爆発的に流行していきました。向付(むこうづけ)もそういう食器の一つです。膳の飯碗と汁椀の奥に、大抵はお造りを盛って置かれ…

盃、ぐい呑

2014年 左・高3.8cmx径8.5cm、中・5.3cmx7.4cm、右・4.5cmx6cm 古い写真で見た小林秀雄旧蔵の井戸盃が何ともいい形をしていたので、写しを作ってみたのが左の杯です。焼き上がると実物よりちょっと小さくなりましたが、形はまあまあ上手くいきました。ま…

唐津ぐい呑三様

2014年 左・高さ5.5cmx口径7.8cm、中・5cmx7.3cm、右・4.8cmx6.5cm 思い立って、またしばらくぶりに轆轤を回し始めました。プロの陶芸家が毎日土を捏ねるのは当然としても、生半可な指導者に限って日々精進しろとうるさかったりします。曰く、「一日轆轤…

白釉貫入筒茶碗「一×」

2008年 口径12cm、高9cm 「老いの友」という銘のついた志野茶碗があります。恐らく志野としては初期に焼かれたもので、太い筆でNIKEのマークみたいな絵付けがされています。面白いので真似をしてみましたが、形や仕上がりは全然違うものになりました。文…

長次郎「ムキ栗」写し茶碗

2008年 口径11.5cm(対角14.5cm)、高9.5cm 楽焼の創始者、長次郎は轆轤を使わずに指先だけで、利休好みの寡黙な黒茶碗や赤茶碗をたくさんこしらえました。無駄を削ぎ落とし、両手にちょうど馴染むように作られた茶碗は、一見自己主張とは無縁のようでい…

織部入れ子組器

2012年 高さ8cmx口径20.5cm〜高さ5cmx口径4.5cm ロシア、ウクライナ方面に出張した同僚からお土産にもらった、例の奴をヒントに作ってみました。自分では花をイメージしていたのですが、焼きあがったものを人に見せたら、キャベツと言われてしまいました…

織部親子茶碗&湯呑

2012年 奥・茶碗 左 高5.5cmx口径10cm,右 6.5cmx11.5cm/手前・湯呑 左 6cmx6cm,右 7.5cmx8cm この夏、15年(以上?)ぶりに会った教え子は元気な娘を連れていました。小さなその子の「彩葉」という名前が、視覚的イメージに富んでいて、とても美しいと…

備前ぐい呑

2011年 各口径7〜8cmx高4〜7cm 50歳になった記念にぐい呑を50個作ってみました。特に形や大きさを決めず、歪みもそのままに短時間で轆轤引きしました。高台が中心からずれたり斜めになっているものもありますが、それも愛嬌です。厄払いのため、ひと…

窯変手捏ね茶碗

2008年 高8cmx口径12.5cm 黒楽茶碗を意識して作ったのですが、薬の調合と焼き方の塩梅を間違えて禾目天目のような細かい星の窯変が出ました。溶けた釉薬が流れて底が張り付いてしまったので、焼成用のサヤ鉢を壊してようやく取り出しました。まるでイザ…

フクロウの花生

2000年 陶、木(サクラ)高78cm テーブルの上に置く花瓶ではなく、床に自立する花生が欲しいと思いました。水を入れて花を生けると結構な重量になるので、支える台座がしっかりしていなければなりません。簡単に倒れないためには重さや脚部の柔軟性も必…

信楽壺

2011年 高21cm、胴径19cm、口径11.5cm、底径12.5cm 性懲りもなくまた作ってみました。今回は小石を含んだ土を焼締めてみたら、夕焼けのような焔色が出ました。

信楽壺

2011年 高23cm、胴径22cm、口径11cm、底径13.5cm 先日、都内のある古道具屋で、恐らく室町時代(店番の女性は平安時代と言っていましたが…)の物と思われる信楽壺を見つけました。口が少し欠けていましたが、状態はとても良く、無理をすれば買えるかな、…

徳利、盃

2011年 〔左〕信楽徳利 高9cm 胴径9cm/盃 口径8cm 〔右〕備前徳利 高9cm 胴径8cm/盃 口径7cm 親指の先ぐらいの土の塊を指で薄く延ばして、花びらのような盃を作ってみました。昔、酒を口に運ぶのはかわらけ(土器)でしたが、無釉で焼締めた盃は何となく…

織部ジョッキ「甲骨文・金文」 

2011年 高さ18.5cm、幅17cm、口径9.5cm 「白川・織部」シリーズのジョッキです。緑釉のかかった部分には、甲骨文を忠実に再現しました。3000年前の殷人のように、成形して乾燥させた器面に雨乞いの文字を刻んでみました。焼成すると、銅緑釉に被われ…

ぐい呑

〔左〕唐津ぐい呑 2009年 高さ6.4cm、径6.5cm 〔右〕備前ぐい呑 2011年 高さ6cm、径7.5cm 形に愛嬌があって、手に馴染む酒器はいいものです。私は掌が大きいので、ぐい呑ならこれぐらいのサイズがいいようです。だいたい1杯半〜2杯で1合になりま…

織部掛時計「道」

2011年 直径21cm 陶 木の時計はたくさん作りましたが、陶芸室にはやはり陶器の時計がほしいと思いました。中央の文様は「道」という漢字の元々の形です。 中国古代、殷(商)時代に発明された『漢字』を読み解いたのは、実は日本のひとりの巨人でした。…

信楽焼締ジョッキ

2010年 高14cmx16cm(口径10cm) 信楽の土をカンカンに焼締めてみました。強い還元がかかって、まるで備前のような色艶が出ました。こういう無釉の碑器は、細かい泡が立って、ビールが美味しくなるようです。

紅志野ジョッキ

2010年 高14cmx16cm(口径10cm) 去年の夏休みに中学校の美術部で陶芸教室をやりました。先生と生徒二十数名が手捻りで器作りに挑戦しました。私は暑いと、ついビアジョッキばかり作ってしまいます。これはその時のひとつですが、焼いてみたら思いがけず…