花曇り

2024年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩

 ようやく東京の桜が満開日を迎えたのは4月4日でした。ただ場所によって時間差があり、その日になって未だ五分咲きというところもありました。TARO美術館と同じ生田緑地内にある枡形山広場も、少し標高があるせいか、やや遅れていました。美術館の来館者が少ない午前中、散歩がてらスケッチしに行ってみましたが、満開まではもう少しかかりそうでした。でも、翌日から天気は下り坂とのことで、今年の桜のラストチャンスになりそうだったので、描いておくことにしました。

 ここ枡形山は昔から要衝の地で、城址にある展望台に登ってみると、東はスカイツリーや都心の高層ビル群から筑波山、北は日光、西は丹沢、高尾山から富士山まで一望できます。自然の地形を活かした山城の跡地は桜が沢山植えられた広場になっていて、地元の人たちの格好の花見場所です。この日は平日だったので、空いていましたが、近くの大学生のグループらしき2組が、大人しく(酒盛りでもなく)シートを敷いて集っていました。

 さて、2ヶ月間続いたTARO賞展もいよいよ明日で終わります。今回の馬鹿デカい展示物を撤収するのが、また一苦労です。でも設営と比べれば、そんなに時間はかかりません。桜と同じで、咲くまでは大騒ぎですが、散り始めたらあっという間に跡形もなくなってしまいます。今回は期せずして、花と共に終わるTARO賞展となりました。それもまた良しです。