2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年

「平櫛田中」2011-01-22 - 村上力(むらかみ つとむ)ブログ美術館 今年は『平櫛田中』の富嶽ビエンナーレで始まり、1月末にブログの開設、4月〜5月にかけてあさご芸術の森美術館で個展、11月〜12月はあさごの大賞展、日本芸術センターの彫刻コンクー…

備前ぐい呑

2011年 各口径7〜8cmx高4〜7cm 50歳になった記念にぐい呑を50個作ってみました。特に形や大きさを決めず、歪みもそのままに短時間で轆轤引きしました。高台が中心からずれたり斜めになっているものもありますが、それも愛嬌です。厄払いのため、ひと…

審査員賞

「天狗の腰かけ〜熊谷守一」2011-04-16 - 村上力(むらかみ つとむ)ブログ美術館 展示の仕方がなってないだの、作品への敬意が感じられないだのと散々毒づいておいて何なのですが、日本芸術センターの第3回彫刻コンクールで入賞しました。と言っても別に賞…

大賞展終了

あさご芸術の森大賞展がついに終わってしまいました。当初から10回目で一区切りということだったようですが、またひとつ全国公募の展覧会が無くなってしまうのは残念です。私を含め、室内彫刻展の出品難民が溢れそうです。 しかし、人口3万4000人とい…

ジョン・レノン

1999年 100cmx24cmx14cm(像高41cm) 麻布、樹脂、油彩、銅線 【台座】木、陶 31年経っても12月8日になると、「えっ!?」というあの日の感覚がよみがえってきます。当時、自分は何になりたいのかさえわかっていない19歳でしたが、私にとってジョ…

佐伯祐三

2000年 96cmx26cmx18cm(台含む、像高40cm) 麻布、樹脂、油彩 【台】木、陶 前の職場の近くに佐伯公園という小さな庭園がありました。下落合(今の住所は中落合)にあった佐伯祐三のアトリエと住居跡が残されています。佐伯祐三と言えば、まずはパリを描…

第3回彫刻コンクール

「天狗の腰かけ〜熊谷守一」2011-04-16 - 村上力(むらかみ つとむ)ブログ美術館 ただ今(2011年12月1日〜18日)、北千住の東京芸術センター2階ホワイトスタジオで開催中の第3回彫刻コンクールにこの作品を出展しています。 毎回思うのですが、…

自刻像

1999年 40cmx24cmx16cm 麻布、樹脂、油彩 12年前に造った自分です。今より若干スリムかもしれません。この時はまだ30代でしたが、なんと私も今日で50歳になってしまいました。

『無常といふ事』

「昭和」2011-11-06 - 村上力(むらかみ つとむ)ブログ美術館 数年前、仕事帰りにたまたま覗いた古書店で、小林秀雄の『無常といふ事』の初版本を見つけました。『モオツァルト』と一冊になった文庫本で読んだことはありましたが、一も二もなく買いました。…

最近の買い物

今年一番自慢できる買い物はこの椅子です。新潟県上越市のゲイミンカン製で、国産の自然乾燥ナラ材に本革張りで仕上げてもらいました。ゲイミンカン主催者の市川君はもう何年も前から椅子作りに取り組んでいましたが、ようやく自分でも納得いくものができる…

昭和

2011年 173cmx180cmx42cm 麻布、樹脂、漆、木 第10回あさご芸術の森大賞展出品中 右の人物は昭和4年に文壇デビューし、58年に亡くなるまで人間(特に晩年は日本人)とは何か問い続けた、作家の小林秀雄です。中央は私の大学院での恩師、大橋皓也先…

搬入・展示準備完了

いよいよ明日、11月5日から始まる「あさご芸術の森大賞展」の作品を昨日搬入してきました。美術館の周りは紅葉も色づき始め、すっかり芸術の秋といった感じです。 前夜から泊まりで出かけたので、朝は早起きして近くの竹田城に登ってみました。ちょっと気…

窯変手捏ね茶碗

2008年 高8cmx口径12.5cm 黒楽茶碗を意識して作ったのですが、薬の調合と焼き方の塩梅を間違えて禾目天目のような細かい星の窯変が出ました。溶けた釉薬が流れて底が張り付いてしまったので、焼成用のサヤ鉢を壊してようやく取り出しました。まるでイザ…

フクロウの花生

2000年 陶、木(サクラ)高78cm テーブルの上に置く花瓶ではなく、床に自立する花生が欲しいと思いました。水を入れて花を生けると結構な重量になるので、支える台座がしっかりしていなければなりません。簡単に倒れないためには重さや脚部の柔軟性も必…

生活指導 ②

−承前− 鬼平という人物中に、指導者の条件としてまず挙げられるのはそのビジョンの確かさである。事件をどう捉え、どう解決していくのか。そのためのはっきりした方向性を示せなくては部下も動けない。小説中に、しばしば「勘ばたらき」という言葉で表される…

生活指導 ①

私はずっと公立中学校で生活指導を担当しています。美術だけ教えて、残りの時間は自分の作品制作に使えれば理想的なのですが、年頃の生徒達が大勢集まる中学校でそうもいきません。ただ、どうせ誰かがやらなきゃいけない仕事なら、モチベーションを高めて自…

信楽壺

2011年 高21cm、胴径19cm、口径11.5cm、底径12.5cm 性懲りもなくまた作ってみました。今回は小石を含んだ土を焼締めてみたら、夕焼けのような焔色が出ました。

第10回あさご芸術の森大賞展

11月5日(土)〜12月11日(日)、兵庫県朝来市のhttp://www.city.asago.hyogo.jp/asagomuseum/で開催される2011 ASAGO BIENNALE「優秀作品展」に新作を出展します。今回で最終回となる大賞展は屋内彫刻作品の全国公募展で、第一次審査を通過した20…

哲学について ③

私はハイデガーもメルロ・ポンティも読んだことがありません。ベルクソンは途中で諦めました。構造主義に至っては内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』を読んでわかったつもりになっているだけです。デカルト、キルケゴール、ニーチェ、サルトルなど少し…

哲学について ②

美術の世界にあって、ヨーロッパの哲学史をひとりで体現しているのがピカソかもしれません。ピカソは15歳でマドリード王立美術学校に合格したほど早熟の天才でしたが、それに似合わずこんなことを言っています。「音楽の神童はいても、美術の神童はあり得…

哲学について ①

「君の絵には哲学がない」と誰かに言われたことがあります。だいぶ前の話なので、どんな状況だったのか忘れてしまいましたが、今にして思えば、それは主題が一定していない、つまり節操がないというような意味だったようです。現代の日本で「哲学」という言…

信楽壺

2011年 高23cm、胴径22cm、口径11cm、底径13.5cm 先日、都内のある古道具屋で、恐らく室町時代(店番の女性は平安時代と言っていましたが…)の物と思われる信楽壺を見つけました。口が少し欠けていましたが、状態はとても良く、無理をすれば買えるかな、…

徳利、盃

2011年 〔左〕信楽徳利 高9cm 胴径9cm/盃 口径8cm 〔右〕備前徳利 高9cm 胴径8cm/盃 口径7cm 親指の先ぐらいの土の塊を指で薄く延ばして、花びらのような盃を作ってみました。昔、酒を口に運ぶのはかわらけ(土器)でしたが、無釉で焼締めた盃は何となく…

織部ジョッキ「甲骨文・金文」 

2011年 高さ18.5cm、幅17cm、口径9.5cm 「白川・織部」シリーズのジョッキです。緑釉のかかった部分には、甲骨文を忠実に再現しました。3000年前の殷人のように、成形して乾燥させた器面に雨乞いの文字を刻んでみました。焼成すると、銅緑釉に被われ…

ぐい呑

〔左〕唐津ぐい呑 2009年 高さ6.4cm、径6.5cm 〔右〕備前ぐい呑 2011年 高さ6cm、径7.5cm 形に愛嬌があって、手に馴染む酒器はいいものです。私は掌が大きいので、ぐい呑ならこれぐらいのサイズがいいようです。だいたい1杯半〜2杯で1合になりま…

唐招提寺

2011年 30cmx21cm 紙、鉛筆、水彩 唐招提寺は官寺でなく、鑑真の私寺だったため、金堂を複層(二階建て〜)にできなかったそうです。結果として、シンプルで美しい今の形になったわけですが、「天平の甍」だけは少しイメージと違っていたかもしれません…

織部掛時計「道」

2011年 直径21cm 陶 木の時計はたくさん作りましたが、陶芸室にはやはり陶器の時計がほしいと思いました。中央の文様は「道」という漢字の元々の形です。 中国古代、殷(商)時代に発明された『漢字』を読み解いたのは、実は日本のひとりの巨人でした。…

大失敗

ちょっとした手違いで、ブログの写真が殆ど総て消えてしまいました。これから少しずつ修復していきたいと思います。すみません。パソコン音痴なもので…。

薬師寺東塔

2011年 24,5cmx19cm 楮紙、墨 三重塔の大規模な解体工事が始まるということを聞いて、灼熱の奈良に行ってきました。8月10日、既に塔内部の作業は進んでいましたが、『凍れる音楽』はまるで何事もないようにその場に立っていました。 昨年、縁あって宮…

木彫時計⑦鳳凰

2011年 直径24cmx厚さ1.4cm 桂板、漆 平等院にはこの3年間で4度行きました。鳳翔館に展示された雲中供養菩薩群は何度観ても飽きません。大屋根の両端で900年以上向き合って立っていた鳳凰も今はレプリカに場所を譲り、同じ屋根の下に展示されていま…