2012-01-01から1年間の記事一覧

2012年

年末恒例の安塚スキー合宿から戻ってきました。しばらく運動らしい運動もしていなかったので、火曜日の野球に続くスキーで、全身筋肉痛です。そろそろ年齢なりの節制を心掛けなければいけないのですが、どうも自覚が足りません。遊び始めると悪ガキの本性が…

見立てについて ①

今年の後半は、いろいろなところに文を書いたり、人前で話したりする機会が多くて疲れました。何より、説明や言い訳ばかりに時間を取られて、肝腎の制作ができないのはこたえます。そろそろ右脳中心の生活に戻さないと、心身が委縮したまま固まってしまいそ…

藤本イサムさん

2012年 166cmx60cmx50cm 麻布、樹脂、漆、木、アクリル塗料 今年新たにスタートした『あさごアートコンペティション』のために、等身大彫刻を造りました。藤本さんは8年前に知り合った朝来在住の彫刻家で、何でもつくってしまう強力な分厚い手を持って…

あさごアートコンペティション終了

12月2日(日)あさごアートコンペティションの会期最終日に行われた表彰式に行ってきました。今回はスポンサー賞に入り、地元の銘酒「竹泉」から副賞を頂いたので、その後行われた懇親会で早速一本空けてしまいました。限定生産・シリアルナンバー1番の…

ジミ・ヘンドリックス

1999年 41cmx23cmx15cm 麻布、樹脂、油彩 私と同じ誕生日の有名人は、徳川吉宗、藤田嗣治、松下幸之助、丸山千里、ブルース・リー、ベニグノ・アキノ、村田兆治、小室哲哉…とたくさんいますが、中でも流星のように激しく輝いて、あっという間に消えてし…

ミック・ジャガー

1999年 40cmx23cmx17cm 麻布、樹脂、油彩 1990年、ローリング・ストーンズ初来日の時は二度東京ドームに行きました。スタンドから観るメンバーは皆、小指ぐらいでしたが、流石にスタジアムコンサートの開拓者だけあって、後席の観客も充分楽しめる演…

あさごアートコンペティション

「あさご再び!」ということで、今年からまた新たに現代アート作品展が始まりました。第1回目の今回、私の新作がスポンサー賞に入ったと連絡がありました。展覧会は2012年10月27日(土)〜12月2日(日)、あさご芸術の森美術館で開催されます。 …

読書について ②

『日本文学史序説』(加藤周一 ちくま学芸文庫)は、上・下巻で1000ページを超す分厚さに気圧されて、なかなか手に取る勇気の出ない本ですが、はたして一昨年末に開くと、引きずり込まれて一気に読み終えてしまいました。とにかく著者の識見の高さや教養…

ロダン

2011年 高さ53cmx幅53cmx奥行33cm 麻布、樹脂、漆 昨年、静岡県立美術館に足を運ぶ機会が何度かありました。あそこのロダン・ウイング(ロダン作品だけのコレクションホール)は素晴らしく、何度訪れても飽きません。という訳で、いつかは…と思っていた…

織部入れ子組器

2012年 高さ8cmx口径20.5cm〜高さ5cmx口径4.5cm ロシア、ウクライナ方面に出張した同僚からお土産にもらった、例の奴をヒントに作ってみました。自分では花をイメージしていたのですが、焼きあがったものを人に見せたら、キャベツと言われてしまいました…

織部親子茶碗&湯呑

2012年 奥・茶碗 左 高5.5cmx口径10cm,右 6.5cmx11.5cm/手前・湯呑 左 6cmx6cm,右 7.5cmx8cm この夏、15年(以上?)ぶりに会った教え子は元気な娘を連れていました。小さなその子の「彩葉」という名前が、視覚的イメージに富んでいて、とても美しいと…

展覧会について ④

コウモリのような立場にいる今の私にとって、作品に買い手がつくことと、展覧会が成功することは全く別の問題です。今回の個展中、本気かどうかわかりませんが、何人かの方から、小さな作品であれば買いたいという申し出がありました。自分で値段までつけて…

展覧会について ③

個展の最終日にのこのこやって来て、「枯木(みたいな爺)も山の賑わいだな。もっと、その辺にいるピチピチしたネエちゃんでも造ったらどうだ?」なんて好き勝手なことをほざいていった男がいます。前原冬樹(まえはら ふゆき)という彫刻家です。お互い19…

展覧会について ②

公募展で大勢に混じって一点展示するのと、自分の作品だけをいくつかまとめて展示するのとでは、同じ彫刻でも見え方が全然違ってきます。作者も素材もばらばらの作品が一緒に並ぶと、互いに主張するため、各々饒舌にならざるを得ません。コンペは相対評価で…

展覧会について ①

私の場合、特定の美術団体に所属していませんから、毎年決まった展覧会に出品できるわけではありません。作品を発表するためには、屋内展示の公募展を目指すことになりますが、ここ数年、立体作品の募集がめっきり少なくなりました。不景気になると、まずは…

木彫時計⑧クワガタ

2012年 直径24cmx厚さ1.4cm 桂板、漆 今年は夏らしいデザインにしてみました。広島に住んでいた小学生の時、夏になると毎日のように山のクヌギの木に通いました。ある日、学校から帰ってすぐ、例によってお気に入りの木の所に行くと、根元の穴の中にヒラ…

個展終了

3週間の会期が昨日で無事に終わりました。今回は会場にいた時間が長かったので、名残惜しい気持ちもありましたが、夕方までかかって、ひとりで片づけ撤収作業を終えてきました。ずっと暑い日が続いていたので、北千住まで行くことを躊躇っていた父もようや…

彫刻について ⑤

個展会場にいると、時々「こういうのを何と呼べばいいんですか?人形?彫刻?」と質問を受けます。私自身は、非実用的な立体作品はすべて、人形も含めて、彫刻だと思っていますが、そう考えない人も多いようです。 かなり前になりますが、あるコンクールで私…

好評?開催中

個展が始まって、今日で一週間になります。昨年のあさご芸術の森美術館での会期中は初日と最終日しか会場にいられなかったので、今回たくさんの生の反応に出会えるのは楽しみです。思ったより、通りがかりの人々が気軽に入ってくださり、暇な時間を持て余す…

個展が始まりました

東京芸術センターでの個展がスタートしました。初日の今日は祝日だったこともあり、たくさんの人においで頂きました。実は退屈しのぎに本など持って行ったのですが、出番がなかったのは嬉しい誤算でした。 懐かしい顔にも会えました。平日ずっと会場にいるこ…

お化け屋敷

個展のため、あちこちにあった彫刻作品が続々と我家に集結しています。それでなくとも、普段からこの部屋には10点以上の作品が置いてあるのですが、今はちょっと足の踏み場がない状態です。 まだ小学校に上がる前、娘の所に遊びに来る友達は、皆、この部屋…

これまでの口上・目次

このブログを始めてからそろそろ一年半、記事も150ページになろうとしています。昨春、あさご芸術の森美術館で行われた個展に合わせて、作品紹介をするのが当初の目的でしたが、いつの間にやら、制作の背景にある私の気持ちや考えまで伝える場となってき…

開催中・あさご芸術の森大賞展10年の軌跡

ただ今、あさご芸術の森美術館1階で「大賞展―10年の軌跡」展を開催中です。「閻魔―ピカソ」は正面から展示室を睨む、絶妙の位置に展示されています。会期はこれから2か月以上、8月26日(日)までありますから、兵庫方面を訪れる際は是非お立ち寄りく…

個展のDMができました

芸術センターの担当Fさんに、ご苦労をおかけしました。「平櫛田中」の画像が上手く生かされていて、なかなかいいデザインだと思います。色調も涼しげで、真夏の個展向きではないでしょうか。 宛名面はこうなっています。紹介文は自分で書いていないので、ち…

胸像制作 ④

大分、人間の顔らしくなってきました。乾くと多少「痩せ」が出るので、面も髪もやや余分に肉付けしておき、固まってから削ります。手も少し大きめに造っておきます。 普通の彫刻では難しいことも、私の方法では可能です。例えば―今回はやりませんが―造ってみ…

あさご芸術の森大賞展10年の軌跡展

2012年6月9日(土)〜8月26日(日)あさご芸術の森美術館1階アトリエ室で開催される『大賞展10年の軌跡』展に「閻魔―ピカソ」が展示されます。 2011-01-25 - 村上力(むらかみ つとむ)ブログ美術館 美術館買い上げになったピカソですが、こうし…

風貌〜村上力展 作者の言葉

彫刻や絵画の題材として最も起源的かつ一般的なのは、言うまでもなく「人」の姿・形です。人が人に興味を持ち、それを再現しようとしたところから、すべての造形は始まったと言ってもいいでしょう。世界中に具象彫刻は溢れ、今さら人の形を増やすことが憚ら…

果樹のモビール

2001年 101cmx90cmx40cm 木(桜)、陶土、糸、真鍮 落とされた桜の枝がたくさんあったので、皮をむいてモビールの軸にしてみました。一番長い横棒は細い枝をそのまま残し、葉っぱの形に削った飾りをつけました。枝の裏に穴を穿ち、ヤジロベエのように心…

胸像制作 ③

腕の芯になる筒状の麻布を張り付けます。このサイズの胸像では手を入れるかどうか、悩むところです。養老孟司さんが、人体の解剖実習で触れることが最も躊躇われるのは目と手だと、何かに書かれていました。呼吸をしていない身体であっても、目と手だけは今…

胸像制作 ②

肉付けをしては削り、多角的に顔を形作っていきます。この作業は粘土で塑像を造るのと変わりません。ただ、粘土の像が非常に重いのに対して、麻の像は乾かしながら作業を進められるのでとても軽く、移動や保存も容易です。