唐招提寺


2011年 30cmx21cm 紙、鉛筆、水彩
 唐招提寺は官寺でなく、鑑真の私寺だったため、金堂を複層(二階建て〜)にできなかったそうです。結果として、シンプルで美しい今の形になったわけですが、「天平の甍」だけは少しイメージと違っていたかもしれません。発掘された破片を見ると、創建当時は唐三彩のような緑や黄色も鮮やかな瓦が大屋根を覆っていたようです。
 本尊のルシャナ(漢字が出ません)仏は脱乾漆像として最大というだけでなく、千体の化仏を背負ったその姿も堂々として見事です。写真ではちょっと頭でっかちに見えますが、実物に対面すると、そうでないことがわかります。仰ぎ見た時のバランスまで考えて頭部を少し大きく造るというのは、鎌倉時代の運慶辺りからなのかと思っていました。でも違いました。この像を造った天平の仏師は、図面よりも自分の感覚を信じた本物の彫刻家だったようです。
 さて、手間取りましたが、消えてしまった写真がやっと元通りになりました。今回のトラブルの原因は、私がブログやパソコンの仕組みをよくわかっていなかったことに尽きます。こうして失敗しないと人間は成長しません。もうすぐ50歳ですが、まだまだ発展途上です。