織部掛時計「道」


2011年 直径21cm 陶
 木の時計はたくさん作りましたが、陶芸室にはやはり陶器の時計がほしいと思いました。中央の文様は「道」という漢字の元々の形です。
 中国古代、殷(商)時代に発明された『漢字』を読み解いたのは、実は日本のひとりの巨人でした。白川静(しらかわしずか)は甲骨文や青銅器に彫られた金文という文字を徹底的に読むことで、3000年前の人間になりきったのです。因みに「道」という字は、異族の生首を持って悪霊を祓いながら自分の支配圏外を進む形だそうです。「白川学」(白川静の学問)は恐ろしく広範、かつ深遠なので、簡単に理解できるような甘いもんじゃありませんが、せっかく漢字の国に生まれてきて、それを知らずに死んでしまったらバカ、いえ勿体ないと思います。