ジョン・レノン


1999年 100cmx24cmx14cm(像高41cm) 麻布、樹脂、油彩、銅線 【台座】木、陶
 31年経っても12月8日になると、「えっ!?」というあの日の感覚がよみがえってきます。当時、自分は何になりたいのかさえわかっていない19歳でしたが、私にとってジョン・レノンは間違いなく、数少ない「信用できる大人」の一人でした。
 この像は昨年まで清春芸術村(山梨県北杜市長坂町)の近くのレストランにありました。家族3人で切り盛りする店は味もロケーションも素晴らしく、知り合いであるのをいいことに何度か押しかけたものです。ハーブが茂る斜面のエントランスに続くオープンテラスは真夏でも爽やかで、夜になると時々オオムラサキが飛来していました。寒い季節には薪ストーブが赤々と燃える、その店内の一番いい場所に小さなジョン・レノンはすっかり馴染んだ様子で立っていました。
 イタリアンの名店は今年の春(2011年3月)、東京北千住で装いも新たにhttp://homepage3.nifty.com/poltrone/としてオープンしました。久しぶりに会ったジョンは都会の空気が合わないのか、強かった鼻っ柱まで見事に折れていました。でも何とか命日までに修理も終わり、また元通りのすました顔で店に戻りました。今後はワインバーの顔として、千住の皆さんに可愛がっていただけると嬉しいです。