お化け屋敷


 個展のため、あちこちにあった彫刻作品が続々と我家に集結しています。それでなくとも、普段からこの部屋には10点以上の作品が置いてあるのですが、今はちょっと足の踏み場がない状態です。
 まだ小学校に上がる前、娘の所に遊びに来る友達は、皆、この部屋を怖がり、お母さんが傍にいても泣き出す子がたくさんいました。娘にとって、家に彫刻があることは、父親がスキンヘッドというのと同じくらい、当たり前のことだったのですが、他の子には異様だったかもしれません。電化製品や荷物を配達に来た大人も、玄関を開けるとギョッとして、一瞬動きが止まります。

 さて、我家は年に数回、この部屋で宴会を催します。常連客はもう慣れたものです。やって来るなり帽子やマフラーを像に引っかけ、作品台をテーブルにして飲んでいます。この空間で、そうして自分の作品とゲストが混在している光景は、ちょっと不思議ですが、悪い気はしません。願わくば夏の宴会のためにも、出展する彫刻を早く運び出し、せめて人が座れるお化け屋敷に戻したいところです。