2019-01-01から1年間の記事一覧

重源上人坐像模刻

2019年 高82cmx幅76cmx奥行60cm 麻布、樹脂、漆、木、他 昨秋亡くなった父の遺影は、最後の誕生日に病院で撮ったものでした。まさか、それからひと月もたたないうちに逝ってしまうとは思えない程、血色の良い、穏やかな表情で写っています。もうこの世に…

日本芸術センター第7回彫刻コンクール

「あさご」と同時期に、もう一つ別の展覧会が始まっていました。先週の段階では、まだ日程がわかっていなかったので、お知らせできませんでしたが、奇しくも同じ兵庫県で開催中の、日本芸術センター主催 彫刻コンクールに、作品が展示されているようです。…

人とアートの無限の繋がり1+1+1…展

兵庫県のあさご芸術の森美術館が開館20周年ということで、今日から開催される、記念展に出品することになりました。水曜日、片道600kmの道を一人で運転して、つくりたての「重源上人〜」を搬入してきました。まだ会場内は、搬入されて梱包も解かれないまま…

刻字看板「村上一品洞」

2019年 112cmx45cmx厚3cm 欅板、漆 ずっと前に作品台として使った、丁度良い大きさの板があったので、「村上一品洞」の看板を彫ってみることにしました。家紋のトレードマークと、墨で書いた「一品洞」の文字をトレースし、硬い材を鑿と槌でガンガン刻ん…

彦根城天守閣

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 東寺のスケッチを終えてから、広島見物に行っていた家族と京都駅で合流し、次は彦根に向かいました。前に訪れた時の印象で、京都からは目と鼻の先と思い込んでいましたが、実際に車で走ってみると(途中でガソリンを入…

東寺五重塔と桜

2019年 33cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 二日目、奈良から石清水八幡宮経由で京都に入り、宿の下見をしてから、同僚と駅で別れたのは午後2時過ぎでした。別行動の家族と合流するまで、少し時間があったので、東寺に行ってみました。 3月終わりの京都は、やっと…

二月堂

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 関西旅行2日目です。いつもの習慣で5時半に目が覚めてしまったので、歩いて東大寺の方に向かいました。手向山八幡宮の横を抜け、校倉の経蔵を二つ過ぎると、三月堂、次いで二月堂です。朝の境内は、毎日のルーティンを…

奈良公園の鹿

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 3月末、修学旅行の下見も兼ねて、二泊三日で奈良、京都、滋賀方面を車で回ってきました。途中で4枚絵を描いたので、順番に紹介していきます。 初日は近鉄奈良駅で同僚と合流し、興福寺の集合場所を確認してから、西に向…

2019年 41cmx32cm 紙、鉛筆、水彩 隣家から、切った桜を分けてもらったので、いつもの壺に投げ入れておきました。ストーブのある部屋で、蕾ばかりだった枝はグングン水を吸って花開いていき、翌日の夕方にはもう六分咲きになっていました。ボヤボヤして…

野川公園の大榎

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 以前にも描いたことがある、野川公園北園の大樹です。私が知る限り、こんなに見事な榎は他にありません。桜がちらほら咲き始めましたが、この木の葉はまだこれからです。でも前回載せた大國魂神社の欅とは逆に、枝ばか…

大國魂神社鳥居前の大欅

2019年 33cmx27cm 紙、鉛筆、水彩、色鉛筆 府中で映画を観た後、少し時間があったので、大國魂神社をぶらぶらしました。本殿の裏にも御神木の銀杏や大きな椋の木がありましたが、葉が落ちていることもあってか、どの木ももう一つ元気がない様に見えまし…

木彫時計⑮ 小椅子の聖母

2019年 厚さ1.4cmx直径24cm 桂材、アクリル彩色、ワックス ぐずぐずしているうちに、板を丸く切っただけで、図案を考えないまま年を越してしまいました。でも、冬休み明け、イタリア旅行帰りの子からピッティ宮殿土産の栞をもらった時、直ぐにデザインが…

斑(まだら)の皮膚

初期の印象派展で「死斑のういた腐った肉の塊」と酷評された、ルノワールの絵があります。「陽光の中の裸婦」(1876)は、今でこそ世界各国の展覧会で引っ張りだこの作品ですが、まだ古典的なサロンが影響力を持っていた19世紀のパリでは、粗く雑な表現と看…

御岳渓谷

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 もうすぐ啓蟄ですが、このところ暖かい日が続いたので、皆が暦よりも早く目覚めてしまった様です。夜道に手袋の落し物かな?と近づくと、のそりと動きます。ヒキガエルでした。むざむざ轢かれるため舗装道路に出て来な…

表現と再現③

絵画の模写に比べると、立体の模刻はその何倍も手間がかかります。ピアノソナタと交響曲くらい違うと言ってもいいかもしれません。一つの方向から見て「できた!」と思っても、別の角度から見ると「全然ダメ」なんてことが当たり前に起こります。カバーであ…

上野公園のカフェにて

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 都美術館での仕事を終え、食べ損ねていた昼食にありついたのは夕方でした。テーブルの近くにストーブもありましたから、国立博物館の方を向いたテラス席に座りました。せっかくの戸外なので、久しぶりにスケッチでもし…

表現と再現②

「表現と再現」ということを、ポピュラーミュージックの世界で考えてみると、カバーはどうしてもオリジナルより一段低く見られる傾向があります。E.クラプトンの“I Shot the Sheriff”とかW.ヒューストンの“I Will Always Love You”の様に、成功した例もあり…

表現と再現①

昨年の11月に、ふと思い立って「重源上人坐像」を模刻してみることにしました。元の像は、東大寺の俊乗堂で年に数日だけ御開帳される、鎌倉時代の仏像です。南都焼討で灰燼に帰した東大寺を再建した老僧の姿を、恐ろしくリアルに木彫で表しています。 造り…

ストーブのある片隅

2019年 25cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 ウチの北東隅(鬼門ですが)、ペレットストーブのある一画が私の読書スペースです。エアコン、まして石油やガスヒーターの前でくつろぐ気にはなりませんが、木が燃える焚火のそばでは何時間でも過ごせるのが不思議です…

那須連山

2019年 10cmx15cm 紙、鉛筆、色鉛筆 先週末は職場旅行で、栃木の黒磯温泉に行ってきました。温泉、料理共に申し分ない宿で一泊し、翌朝快晴の空に誘われて散歩に出てみると、すぐ前を流れる那珂川越しに、那須連山が広がっていました。 私が教職に就いた…

深川 冬木弁天堂

2019年 25cmx33cm 紙、鉛筆、水彩 今やどこもかしこも七福神巡りが流行で、谷中、日本橋、深川と行く先々で、初詣のおまけとして客集めに貢献している様です。深川ではあの富岡八幡宮から清澄庭園の方まで、オレンジ色の「深川七福神」幟がはためいてい…

増上寺 三解脱門

2019年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩 年末のスキー以降 食っちゃ寝の毎日だったので、少し歩こうと家族で増上寺まで出かけました。正月も三日になると、初詣の客足は落ち着き、日比谷通りを挟んでゆったりスケッチできました。ただ日本晴れとは言え、真冬の…