奈良公園の鹿

f:id:murakami_tsutomu:20190405072608j:plain

2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩

 3月末、修学旅行の下見も兼ねて、二泊三日で奈良、京都、滋賀方面を車で回ってきました。途中で4枚絵を描いたので、順番に紹介していきます。

 初日は近鉄奈良駅で同僚と合流し、興福寺の集合場所を確認してから、西に向かいました。感じの良いレストランで昼食後、久しぶりに秋篠寺で伎芸天を拝んできました。東大寺の三月堂(法華堂)と同じく、天平と鎌倉のコラボで生まれた傑作ですが、文字通りキメラ的と言うか、アンドロギュノス的な妖しい魅力を湛えていました。

 奈良公園の中にある宿に着いたのは5時近かったでしょうか。まだ明るかったので、スケッチブックを持って表に出ました。でも、ちょうど若草山の入口が締まったところで、これから何を描くか迷っている暇はなさそうでした。適当なモチーフを物色していると、目の前に、思い思いの姿勢でくつろぎきった、鹿がいました。

 せっかく奈良まで来たので、馴れ馴れしい奴に濡れた鼻面を擦り付けられながら、スケッチしてみました。動く相手に苦戦しながら、2〜30分描いたところで、何が起こったのか、辺りの鹿たちが一斉に移動していったので、私の絵もここで終わりました。