彦根城天守閣

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2019年 27cmx33cm 紙、鉛筆、水彩

 東寺のスケッチを終えてから、広島見物に行っていた家族と京都駅で合流し、次は彦根に向かいました。前に訪れた時の印象で、京都からは目と鼻の先と思い込んでいましたが、実際に車で走ってみると(途中でガソリンを入れたりもしたので)、1時間半くらいかかりました。考えてみれば、彦根と京都では東京への経路が違うのですから、それなりに北上していた訳です。

 翌朝、彦根城天守前のベンチでスケッチしてから、せっかくの機会なので、もう少し足を延ばして、さらに北、長浜の向源寺に行ってみることにしました。ここの境内の渡岸寺観音堂には、有名な国宝の十一面観音像があります。聖林寺や室生寺の十一面観音は何度か観たことがあり、それぞれ素晴らしいと思いましたが、しかし今回初めて観た向源寺のものは、そのプロポーションにおいて、(他の追随を許さぬ程)圧倒的に美しいと感じました。ガラスに隔てられない展示室で、周囲を回りながら観覧できるのも有り難く、この像を拝むためだけにここまで来る価値が充分あると思いました。

 車に戻り、 地図で確かめると、福井まであと少しの所まで来ていました。次はいつか是非永平寺を訪ねてみて、その時にもう一度寄ろうと心に誓いました。今回の関西ツアーで一番の、思いがけぬ収穫でした。