木彫時計⑮ 小椅子の聖母

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2019年 厚さ1.4cmx直径24cm 桂材、アクリル彩色、ワックス
 ぐずぐずしているうちに、板を丸く切っただけで、図案を考えないまま年を越してしまいました。でも、冬休み明け、イタリア旅行帰りの子からピッティ宮殿土産の栞をもらった時、直ぐにデザインが決まりました。ラファエロの「小椅子の聖母」は円形の板に描かれた油絵です。できるもんなら時計にしてみやがれ!なんて言わんばかりのモチーフとの運命的な出会いでした。
 やることさえ決まれば、あとは簡単です。板に鉛筆で直接下描きし、彫り、着彩します。結構いい加減に模写したので、あちこち変てこりんな部分もあります。特に聖母子の顔は角度によって、ちょっと気味悪く見えます。原画と違い、深く浮き彫りにしているので、観る位置によって表情が変わります。光次第では相当不気味ですが、まあご愛嬌ということで。