大國魂神社鳥居前の大欅

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2019年 33cmx27cm 紙、鉛筆、水彩、色鉛筆
 府中で映画を観た後、少し時間があったので、大國魂神社をぶらぶらしました。本殿の裏にも御神木の銀杏や大きな椋の木がありましたが、葉が落ちていることもあってか、どの木ももう一つ元気がない様に見えました。旧甲州街道に面した、大鳥居前の一対の大欅は、ここから北側に伸びる表参道の起点です。絵では左奥に描いた(鳥居に向かって右側の)一本の方が太く立派なのですが、やはりこの木も相当傷んでいます。無残な空洞(うろ)と、コルク状、大鋸屑(おがくず)状の腐食によって、崩れかかっています。新芽も出ていなかったので、果たしてまだ生きているのかどうか、確証はありません。どちらにせよ もう長くはないことを悟っている、時代に取り残されたアッシャー家の古城の様な、滅びの美学を感じたので、絵にしてみました。幹の横に顔を出した赤信号が、まるでこの樹の運命を予告している様でした。