2013-01-01から1年間の記事一覧

紫陽花

2013年 34cmx25cm 紙、鉛筆、水彩 庭の紫陽花を自作の小壺に挿してみました。今年の東京は早く梅雨入りした割に、初めほとんど雨が降らず、立ち枯れ状態の痛々しい紫陽花をあちこちで見ました。ここにきて梅雨らしい空模様が続いていますが、前半の少雨…

枇杷

2013年 34cmx25cm 紙、鉛筆、水彩 束の間の梅雨の晴れ間、窓から見える枇杷の木を描いてみました。地方によって「枇杷は庭に植えるな」という所もあるようです。恐らく病人が出るという迷信は、古来インドで「大薬王樹」と呼ばれ、鑑真和尚もその葉を使…

娘・人生1日目

2000年 27cmx22.5cm 紙、鉛筆、水彩 娘が生まれた翌日の夕方、産院で描きました。出産が夜9時半過ぎだったので、この時まだ24時間経っていませんでした。あの日50センチ足らずだった身長もそろそろ155センチになろうとしています。

福浦漁港

2013年 25cmx34cm 紙、鉛筆、水彩 今日は久しぶりの平日休みだったので、真鶴へ一人でスケッチに行ってきました。今から60年前、画家中川一政は小さな赤い灯台のある防波堤にキャンバスを立てて、晴れた日には毎日、この漁港を描き続けました。当時の…

遊びについて ②

今やもうなくなってしまいましたが、昔東京には70mmフィルムを上映できるシネラマ映画館がいくつかありました。そんな「テアトル東京」や「新宿プラザ」では、最前列中央に陣取り、湾曲した巨大スクリーンに囲まれるようにして観るのが、私にとって正しい…

遊びについて ①

地球の反対側、Kladnoの山田さんとコメントのやり取りをしていて、思い出しました。そう言えば私は、遊びが「遊び」でなくなってしまう分岐点というものをはっきり意識したことがあります。 もう十年以上前になりますが、台風が近づいた海に一人で入ったこと…

ままごとキッチン

2002〜3年 64cmx50cmx34cm 木、金具、ステンレスボウル、マジックテープ、アクリル塗料 娘が小さいとき、いろいろな人から木製玩具をもらいました。女の子が必ず通る道、ままごとに使うセットも鍋から食材まで木で揃っていたので、せっかくならと、キッ…

雑―ブランクーシのアトリエ

2004年 縦167cmx横164cm 麻布、樹脂、胡粉、墨、柿渋、竹、麻紐 ブランクーシの胸像http://d.hatena.ne.jp/murakami_tsutomu/20110127を造るために、彼が自分の作業場を記録した写真などもたくさん集めました。高い天窓から自然光の入るパリのアトリエは…

鎌倉

彫刻家大隅秀雄さんの作品が建長寺に展示されていると案内を頂いたので、鎌倉まで出掛けてきました。大きな三門の下、禅宗の寺でなければ二体の力士像があるべき場所で、阿吽の金属作品は風を受けて動き回っていました。大隅さんとはいつも屋内のコンペで顔…

ピカソ

1999年 22cmx18cmx15cm テラコッタ(施釉本焼成) 麻布と樹脂で造った彫刻は屋外に展示することができません。その点、陶像なら風雨の中に設置しても大丈夫です。本来は素焼き用の土ですが、釉薬をかけて本焼きしているので、かなり頑丈に仕上がりました…

娘3歳

2008年 110cmx33cmx28cm 麻布、樹脂、漆、木 2000年に生まれた娘がもうすぐ4歳になろうという頃、モデルにして、自分の足でしっかり立つ彫刻を造ってみようと思いました。割合早く形だけはできていたのですが、仕上げが決まらないまま、しばらく置…

学習椅子

2007年 高さ53cmx幅40cmx奥行50cm 檜、桜、革、ウレタン、鋲 娘が小学校に入学したとき、学習机とセットで作りました。成長に合わせて高さを調節できるようにしたのですが、さすがに座面が小さくなったので、卒業するのを機に既製品を買いました。とは言…

木彫アルバム①「風神・雷神」

2013年 22cmx22cmx3.3cm 桂材、蜜蝋、アルバム台紙、金具、他 これも木彫時計同様、中学校美術科の教材です。厚さ12mmの桂材を彫って、アルバムの表紙と裏表紙にします。ただ最近、桂の良材が国内にほとんどなくなってしまったそうで、赤身だけの板を入…

生正味漆

純国産の生漆のことを「生正味漆(きじょうみうるし)」と言います。輸入物に比べると、不純物が少なく、滑らかで、伸びの良さは格段に違います。質の悪い漆は時に腐臭がしますが、国産の生漆は野生の果実のような香りです。 但し質の高い分、値も張ります。…

イデアについて ②

求められる機能や条件の中で、奇をてらうことなく、無駄を省き、木のクセをなだめすかしながら削っていきます。同じ材でも木目によって刀の入れ方は違います。結果として、出来上がるスプーンの形も全く同じものにはなりません。特にヘッドは、首に近い部分…

イデアについて ①

最近、右眼の調子が悪く、彫刻作業がはかどらないので、しばらくの間、木でも削っていようと思います。何年か前に買った、ちょうど良い花梨(カリン)材がいくらかあったので、スプーンを作ることにしました。スプーンというのはもちろん実用品ですが、いざ…

木彫時計⑨ニケ 

2013年 直径24cmx厚さ1.4cm 桂材、蜜蝋 例によって数字は透かし彫りで表し、文字盤の中央に「サモトラケのニケ」を彫ってみました。ルーブルで実物を見たことはありませんが、「ニケ」は私が最も好きな彫刻のひとつです。私が通っていた頃、日大芸術学部…

小像制作 ②(ジャコメッティ)

ワイシャツの襟とネクタイをつけ、ズボンの形をつくります。膝や腰の皺が自然になる様、麻布を貼っていきます。 上着をつけ、3週間でほぼ像の形はできました。ここからはじっくりと微調整をしていきます。乾燥するにしたがって多少痩せが出るので、漆を塗る…

"DYLAN" ②

2013年 154cmx80cmx80cm 麻布、樹脂、木、鉄、漆、アクリル塗料、サングラス 日本では『フォークの神様』なんてつまらない呼ばれ方をしたこともありましたが、ボブ・ディランほどROCKを体現したミュージシャンはいないと思います。1965年、彼はそれ…

"DYLAN" ①

2013年 154cmx80cmx80cm 麻布、樹脂、木、鉄、漆、アクリル塗料、サングラス ようやく完成です。結局10か月近くかかったことになります。今回は台材も重要でした。厚みがないと像の上半身が貧弱になってしまいますし、大きさが足りないと見せたくない…

小像制作 ①(ジャコメッティ)

3学期の始業日に思い立って、と言うより何かせずにはいられなくなって、新作に取り掛かりました。 ジャコメッティがスイス・スタンパにある母親の家で、机に向かって彫刻しているカラー写真があります。四本脚の丸椅子に背筋をのばして腰かけ、机の上の細長…

見立てについて ②

前回までの『胸像制作』2013-01-13 - 村上力(むらかみ つとむ)ブログ美術館というタイトル通り、この作品は胸から上の肖像にするつもりでした。当初は像高上限70cmというコンクールに出品する予定だったので、やや寸詰まりの像に合わせて、ちょっと高め…

胸像制作 ⑤

昨年5月に途中まで公開した胸像制作ですが、その後ストップしていた訳ではなく、コツコツと造り続けていました。但し、またいつものように気が変わってしまい、実は胸像とは言えないものになりつつあります。 上の状態から、半年近く、モデルとの一進一退の…

2013巳年

明けましておめでとうございます。年賀状用に毎年作っている干支の張子、今年は被り物でなく、腕サイズのニシキヘビにしました。やろうと思えば、実物大で動物を作ることは可能ですが、こんなものも溜まると結構かさばるのです。4年前の牛までは酔っぱらっ…