木彫アルバム①「風神・雷神」


2013年 22cmx22cmx3.3cm 桂材、蜜蝋、アルバム台紙、金具、他
 これも木彫時計同様、中学校美術科の教材です。厚さ12mmの桂材を彫って、アルバムの表紙と裏表紙にします。ただ最近、桂の良材が国内にほとんどなくなってしまったそうで、赤身だけの板を入手することが難しくなりました。白身部分は肌理が粗く、仕上がりももう一つです。

 宗達の「風神雷神図」は前にジョッキの図案に使ったこともあります。光琳や抱一が模写をしていますが、やはりオリジナルは一番勢いがあっていいように思います。屏風の余白(金地ですが)を半分以上残した空間処理は斬新で、両神の愛嬌のある表情と相まって、卓越したセンスを感じます。今と違い、400年前の日本では、「デザイン」について完全な理解と実践がなされていたようです。