学習椅子


2007年 高さ53cmx幅40cmx奥行50cm 檜、桜、革、ウレタン、鋲
 娘が小学校に入学したとき、学習机とセットで作りました。成長に合わせて高さを調節できるようにしたのですが、さすがに座面が小さくなったので、卒業するのを機に既製品を買いました。とは言え、まだまだ頑丈で充分に使えますから、今は私がパソコン用の椅子にしています。

 一昔前に流行った姿勢矯正椅子の原理で、脛を下のクッション部分が支えるようにして、敢えて背もたれは付けませんでした。但し大人が膝を畳むと、少し窮屈で逆に疲れるので、大抵は両足を床に下して使っています。

 木材を自在に切り分けられる電動工具などないので、原始的な道具で安定した形を作るため、4枚の半円形に切った30mm厚のヒノキ材にスリットを入れて組み合わせ、桜の心棒を支えています。革張りの鋲以外に金具は使わず、贅沢に木だけで仕上げました。限られた条件の中で、こんな風に発想を膨らませていく作業は本当に楽しく、強いて言えば、大きな悪戯に悪知恵を働かせている時の高揚感に近いものがあります。