六窓庵

2024年 16cm×22.5cm 紙、鉛筆、水彩

 上野の国立博物館で開催中の「本阿弥光悦展」に行ってきました。平日の朝ゆえ混雑もなく、ゆっくり観て回ることができました。あちこちの美術館で光悦作品が公開される度に私は足を運んでいるので、今回 初対面のものはあまりなかったとは言え、これだけまとめて展示されるとやはり見応えがありました。それにしても入館料が上がっていたのには驚きました。円安下での2100円というのは、外国人観光客にとって何でもないのかもしれませんが、円しか持たない庶民には高い。つい元を取ろうとして、本館から庭園までじっくり観覧してしまいました。

 この日は天気が良かったので、庭めぐりも快適でした。ほとんど人のいない小径を茶室など観て歩きました。ここでの一番の危険はたくさんいるカラスです。あちこちに盛大な爆撃の跡があります。不用意な場所で止まってスケッチでもしていたら、必ずやられてしまいそうです。その点、六窓庵というこの絵の茶室には、お誂え向きの待合がありました。上空からの攻撃を遮る屋根の下、優雅に腰掛けて絵を描くことができました。ちょっとだけですが、高い入館料の仇が取れた気がします。