ピカソ・TARO賞展終了

2022年 高・幅480cm、奥行150cm ミクストメディア

 日曜日でTARO賞展が終わりました。全て搬出する前に、必ずや撮っておこうと思ったのがこの写真です。他の作品を片付けたブースに「ピカソ」だけを残して撮影しました。作者としては予想外でしたが、会期中、これがピカソの半身像だと理解してもらえないことがしばしばありました。手前に等身像が林立していたこともあってか、顔から手まで一続きだとわからない人がいた様です。館長からも、「他の彫刻、みんな壁際に寄せて展示した方が良かったんじゃない?」と言われる始末です。

 ごくたまに「あのドアノーの写真の逆捻りか。」とわかってくれる人もいましたが、少数でした。でも、こうしてピカソ単独にすれば、「なるほど。」と言ってもらえるんじゃないでしょうか?ドアノーの有名な写真というのは、食卓のピカソの両手がクロワッサンになっている、アレです。ただ、そこに手だけは写っていないので、二つの巨大な掌は自分の両手を見ながら造りました。館長の言う通り、これはこれで作品として完結しているので、他の像なしで展示しても良かったのかもしれません。が、やはり、せっかくもらった機会を、私の四半世紀の回顧展にするためにも、「異形の森」にしない訳にはいきませんでした。

 3ヶ月間という長い会期が終わり、撤収はあっという間でした。娘に手伝ってもらい、ほぼ午前中の2時間で片付けました。高さ5mのローリングタワーに登って、娘は壁の補修作業中です。後はピカソの顔を下ろして、全ての作品を運搬用のトラックに積み込めばおしまいです。運んだものをどうやって家に押し込むかという別の問題は残っていますが、一応これで今回のTARO賞展が無事に終了しました。会期中、美術館まで足を運んでくださった方々、どうもありがとうございました。

 ちょっと、ワイエスの「春」という怖い絵を思い出しました。