伐折羅(バサラ)

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2020年 高42cm幅27cm 麻布、樹脂、漆

 前回紹介した通り、この頭像は三鷹の「婆娑羅」という酒場の店内に飾るためにつくりました。新薬師寺の十二神将像の内、この像は迷企羅(メキラ)と表示されたりもしますが、入江泰吉はその作品写真のタイトルで伐折羅(バザラ)と断定しています。私もバサラと言われて、まず思い浮かぶのがこの像でした。

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 十二神将像の身長は160cmそこそこなので、そのまま顔だけつくるとかなり小さくなってしまいます。ある程度迫力ある面にしたかったので、実物よりだいぶ大きめに拵えてみました。酒場には当然、蒸気や煙も満ちているでしょうから、作品表面はもちろん、裏側にも全面漆を塗りました。恐らくこれだけ頑丈につくったので、時々漆を塗りたしてやれば、何百年かは保つはずです。