学校 ①

 若手教員ほどではないにせよ、時々私も中学校を離れて、意味のない研修会に出席しなければなりません。基本的に私は民主的な集団で進める研究や制作に意義を認めませんが、教育委員会や研修好きの教員はそればかりを奨励します。学校で当意即妙に生徒とやり取りすることよりも、「コミュニケーションの充実を図る教育活動」の研究発表をすることの方が重要であるかのように見る風潮は、全くナンセンスです。もちろん現場での問題を抽象したり、指導の見通しを立てるために、自分なりの理屈や方法論が必要になることはあります。しかし、それはあくまでも自分で考え、信頼できる本や人から直接学ぶべきことで、決して研修会でマニュアルとして教えられるようなものではありません。
 
 可哀そうなのは、教職経験2〜3年目の若手教員がくだらない研究推進委員会に駆り出されて、こんなものが教育だと勘違いしてしまうことです。学校を留守にして机上の空論にのめり込み、現場で使い物にならない教員になってしまうのは、気の毒としか言いようがありません。最近の若い教員には、思いのほか、素直で真面目な人が多いだけに、三つ子の魂を、不気味な妖怪が巣食う、研修の森で迷わせないようにしなければいけません。