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2021年 38cmx27cm 紙、鉛筆、水彩

 毎週このブログを更新することと、年に50冊以上本を読むことを、何となく自分自身のノルマにしています。制作に関して言えば、私の場合、彫刻に費やす時間が多いのですが、その中で絵画作品を残しておくことも大切と考えています。ブログに載せることで、例え小さなサイズであっても、人様に見せられる絵を少なくとも年50枚は描くことになります。泣いても笑っても(別にそんなに嫌でもないですが)教員の仕事や彫刻制作はやらざるを得ません。でも、それ以外に50-50をクリアすることで、何とか自分の感覚と頭脳と気力のパフォーマンスを落とさずにいられる気がしています。

 とは言え、毎週一枚絵を描くことは、簡単そうで結構大変です。今回もそろそろストックが底をついてきました。この欅の絵は、3月のスケッチ大会で描いた2枚目の方(1枚目は前に載せました)です。ちょうど一年前、木版で皆勤賞の賞状を作るため、墨を使って下絵を描いた樹です。今度は同じ欅を反対側から絵具でスケッチしました。絵の場合は彫刻と違って、光源の方向が変われば、例えモチーフが同じでも、全く別物になってしまいます。周りがちょっとごちゃごちゃしているのが玉に瑕ですが、陽光をまともに浴びた太い幹は、神々しいタペストリーの様にも見えました。残念ながらこの欅も、センスのない剪定の結果、今は見るも無残な樹形になってしまいました。せめて立派な幹に戯れる光だけでも記録しておこうと思ったのが、この絵の発端です。