木彫時計⑫仔猫


2016年 直径24cm、厚さ1.4cm 桂材、着彩、ワックス
 学校の敷地内に生まれたまま放置された仔猫達が、カラスなどの外敵にやられ、最後の一匹になってしまったのを見かねて、A先生は自宅に連れ帰ったのだそうです。掌に乗るほどだった仔猫は「ミーちゃん」と名付けられ、飛びっきりの愛情をかけられて、すくすくと育ちましたが、ある時 家を出たきり帰って来ませんでした。先生の手許に残った沢山の写真の中から何枚かお借りして、木彫時計のデザインに使ってみました。ミーちゃんは、首周りの白いショールのような毛並みが見事な、かなりのイケメンでした。
 今回はギリシャ数字を切り透かした盤面に、仔猫を彫り出し、彩色してみました。無論、仕上がった家出猫時計の戻るべきところはひとつです。