あさごアートコンペティション

　第5回あさごアートコンペティション優秀作品展が、今日から兵庫県のあさご芸術の森美術館で始まりました。作品搬入は先週末でした。車に分解した彫刻を積んで、関西のずっと奥の方まで出掛けてきました。せっかくの遠出だったので、家族と有馬温泉や彦根を観光しながら、のんびり帰ってくる途中、美術館からスポンサー賞受賞の連絡が入ってきました。もし入選していなかった場合、また今週も作品を引き取りに、往復1200kmのドライブをしなければならない所だったので、とにかくホッとした、というのが正直な気持ちです。
　この美術館には、アートコンペティション前身の「あさご芸術の森大賞展」の頃から数えて、7度目の出品になりました。大賞展は立体作品を隔年展示、アートコンペティションになってからは室内作品展と屋外作品展の交互開催なので、私とあさごとのつき合いも10年以上になりました。2011年には初個展まで企画していただき、ゴールデンウィークを含む一ヶ月間、ありがたいことに美術館一階の広いスペースを独占させてもらいました。
　私の場合、所属する美術団体もないので、時々はこうしたコンペに出品して、力尽くで展示してもらう必要があります、ところが今や全国公募の展覧会はほとんどなくなってしまいました。「メセナ」なんて言葉が流行ったのも一時だけで、ちょっと不景気になると潮が引くように退却してしまう企業や地方自治体ばかりです。そんな中、朝来市は、ずっと一貫して美術家を応援し続けてくれる、とても貴重な存在です。決して財政豊かとは言えない小さな市なのに、人々が皆、ゆったりと文化を見守ってくれている、という印象です。

　これは２０１２年の第１回アートコンペティションの様子です。奥にあるのが私の作品「藤本イサムさん」、手前に吊り下げられているのはその藤本さん作の彫刻です。さて、今回はこの写真の左端に見える、美術館の円柱を利用した作品にしてみました。まだ私も実際の展示は見ていませんが、どんなふうに飾られているのか、楽しみです。搬入の時、うっかりして写真を撮ってくるのを忘れてしまったので、残念ながら今日は作品紹介ができません。会期最終日には、搬出がてら、もう一度美術館を訪れる予定なので、その時こそカメラを持って行きます。