『麻でつくる』彫刻技法について ②

 さて、構造や素材に共通点はあるものの、脱乾漆造と私のやり方はずいぶん違います。乾漆造ではまず像の原形を、木芯にモデリング(肉付け)した粘土で造ります。その上に貼り重ねた麻布が固まるのを待って、中の粘土を掻き出し、構造材の木組を入れます。
 それに対して、私の方法では粘土の型を使いません。張り子で大掴みの核を造り、あとは内に空間を残して外の殻だけを厚くしていきます。自動車のボディに例えると、乾漆像はフレーム構造で 私の彫刻はモノコック構造です。まあ脊椎動物甲殻類と言ってもいいかも知れません。
(張り子の核)