サクラ


2018年 33cmx25cm 紙、鉛筆、水彩
3月末に咲ききってしまったサクラを観に、春休みの朝、井の頭公園に行きました。気がついてみると、 TARO賞展でバタバタしていて、今年に入ってろくに絵を描いていませんでした。ペンでの殴り書きぐらいはありましたが、絵具を使ったのは本当に久しぶりです。平日の7時半からもう夜の場所取りをさせられている無害そうな若者や、朝っぱらから開き直って飲み始めている年配の親父連中を尻目に、池の端のベンチで一枚、対岸に移動してもう一枚のんびり仕上げて帰りました。
それにしても、井の頭池の周りの木がみんな歳をとって弱っているのには驚きました。考えてみると、私が毎年ここで大騒ぎしていた頃から、もう三十何年か経っているわけですから、木だって老化するはずです。人が大勢で踏み固めてしまった地面から養分を吸収できずに衰え、花も葉も出せない古木や処分された切株が目立ちました。そんな訳で今回は、花の色を背景にしながらも、自然に老木の幹の方に目がいってしまうのでした。