神田まつや


2018年 31cmx23cm 紙、鉛筆、水彩
久しぶりに入ったまつやは外人客で大賑わいでした。日本人の年寄りとカップルが数組以外は、半分以上がアジアや欧米の観光客で、それぞれ店の前で写真を撮ったり、身振り手振りでメニューの説明を受けたりと、そんなに大騒ぎすることもなく、日本人に合わせて、皆 控え目に楽しんでいました。
ちょっと遅めの昼に鴨せいろを食べて外に出ると、午後の空気が暖かかったので、店の向かいの植込みの柵に腰掛けて、ビルの谷間に埋め込まれた様な和風建築を描いてみました。右側の暖簾の下には、西洋人夫婦が連れてきた大きな犬が繋がれ、店を出入りする客たちに撫でられながら、主人が出てくるのを大人しく待っていました。私が絵具を片付けて腰を上げる頃には、店の玄関灯や提灯も点り、もう忠犬も去り、秋の早い夕暮がすぐそこまで迫って来ていました。