平安神宮


2017年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩
 京都の宿が岡崎公園の向かいだったので、早起きして平安神宮に行きました。入った事のない神苑だけは見てみたかったのですが、前日着いたのがもう閉門直前で間に合いませんでした。早朝に開いているはずもないので、残念ながら今回も縁がありませんでした。実を言えば神苑以外の建物には今まであまり興味がなく、平安京の縮小模型ぐらいにしか思っていませんでした。でも、誰もいない應天門に座ってしばらく大極殿を眺めていると、少し認識が変わりました。向かって左側に見える右近の橘が莚の養生小屋で覆われています。昨日の夕方、観光客に踏み散らかされていた玉砂利はすっかり掃き清められています。スケッチを始めて30分くらい過ぎた頃、東から朝日が差し込むと風景が一変しました。屋根の緑、柱の朱が輝き、きれいに整えられた白い地面に光と陰の鮮やかな模様が浮かび上がります。正に神々しいとはこのことです。でも、それは決して血が通っていないというのとは違います。平安神宮は、思いのほか地元の人情に支えられた、やはり京都観光のシンボルでした。