杉本寺


2016年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩
 久し振りの平日休みの月曜日、鎌倉に行ってきました。休日程ではないにしろ、紫陽花の季節なので、立派なカメラを持った年配の団体が目立ちました。遠足の中学生らしいグループにも会いましたが、そう言えば、去年の今頃は自分も引率で来て、雨の中で大仏の絵を描いたことを思い出しました。
 明月院は、さすがにアジサイ寺だけあってかなりの人出でしたが、奥の菖蒲苑は(有料ということもあって)空いていました。どちらかと言えば、私は紫陽花よりこの菖蒲の方に魅かれました。東慶寺に寄り、昼食をとった後、午後は報国寺方面に足をのばしました。
 鎌倉の有名な寺はだいたい訪ねているはずなのですが、杉本寺の記憶がありませんでした。本堂のスケッチをしながら、もしや初めて来たかな?と思いましたが、違いました。山門の仁王像を見て思い出しました。前にも、赤くて上品とは言えないあの像が運慶作と書かれていることに、違和感を覚えた記憶が甦りました。杉本寺は、観光上手な有名寺院の中にあって、鄙びたいい寺だと思いますが、この「運慶作」だけはちょっと違う気がします。