ジャコメッティと矢内原


1999年 63cmx140cmx57cm 麻布、樹脂、油彩、木、他
 パリのカフェでテーブルについたジャコメッティ矢内原伊作を向かいの宇佐見英治が撮った写真があります。対称的な風貌の二人がこちらを向いて並んだ場面をそのまま彫刻にしてみようと思いました。台の杉板は半分を墨で塗りつぶし、半分はテーブルの面を表すよう無垢のまま残しました。元々展示したときには、クラシックなカップ&ソーサーと煙草、ジャコメッティの右手の下には仏字新聞がありましたが、どこかにいってしまいました。
 2000年まで、東京都美術館で毎年、現代日本美術展というのをやっていました。が、これを出品した第29回で突然、打ち切りになりました。その後、大阪トリエンナーレ富嶽ビエンナーレもなくなってしまいました。嘗て私の通う店はつぶれるというジンクスがありましたが、どうもそんな感じです。困ったことに、作品発表の場が年々減っていきます。