不動明王


2011年 14cmx18cm 紙、ペン、水彩
 京都で少し時間があったので、スケッチでもしてみるか、と東寺を訪ねました。東寺と言えば五重塔ですが、あれはやはり遠くから見るものです。今回は法隆寺薬師寺で極上の塔を見たばかりだったので、なおさら描く気になりませんでした。
 東寺で凄いのは、なんと言っても、講堂の立体曼荼羅でしょう。向かって左側の不動明王周囲の配置が特に素晴らしく、私は好きです。写真撮影禁止と書いてありましたが、「絵ならばいいでしょう。」とお許しが出たので、売店の横からスケッチしてみました。不動明王の左右には軍荼利(ぐんだり)と降三世(ごうざんぜ)明王が、手前左には増長天(ぞうちょうてん)が睨みをきかせています。堂内は暗いのでひとつひとつの像をはっきりと描写することはできませんが、空間としてはざっとこんな感じです。