長瀞⑵

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩

 岩畳から下を覗き込んでのスケッチは、地上との境界を画す空がないと、まるで抽象画です。よく見れば下半分を流れる川がわかると思いますが、崖状の対岸を形づくる岩と緑は適当に絵具を塗りたくっただけと言われればそんな感じです。ただ「図と地」にさえこだわらなければ、どの部分を切り取っても絵になるのが、こういう作品の面白いところかもしれません。

 例えば、こんな風にトリミングすれば、ワインのラヴェルにでも、風呂敷の柄にでも使えそうな気がします。