もののあはれ


http://d.hatena.ne.jp/murakami_tsutomu/20110222
 多分周りは皆、気を遣ってくれているのでしょうが、思いの外ストレスもなく、新しい職場で過ごしています。自分ではあまり意識していなかったのですが、いつの間にか重荷を下していたようで、明らかに体調が良くなりました。歩く距離が増えたためか、腰や背中が軽くなり、少々飲み過ぎても翌日まで残らなくなりました。今度の美術室が全然片付いていないことだけが目下の不満ですが、毎日先の見えないゴミ処理に向かう気力が湧いてくるだけ元気ということです。一日も早く部屋の秩序を回復して、機能的かつ気持ちの安らぐ場所にしたいものです。
 さて、そういういう訳で、このところずっと片付けばかりで、ほとんど創造的なことをしていません。ちょっと前なら、締め切りに追われるように、小さな絵でも描いてブログ更新するところでしょうが、心にゆとりができたせいか、そんな気にもなりません。本居宣長が「とにもかくにも人は、もののあはれを知る、これ肝要なり。」と言う通り、全ての作品には「もののあはれ」(=心が動くこと、感動)が満ちている必要があります。自分が何かを見て、心を動かされた経験もなしに描かれた絵に、人を打つ力があるとは思いません。その場しのぎにつまらないものを作るくらいなら、過去の作品中に自分の心の動きでもなぞっている方がマシです。その内、不意に「もののあはれ」はやって来るのだと思います。。