漫画を読む


2014年 27cmx22cm 紙、鉛筆、水彩
 何もせず、どこにも行かず、だらだらと週末を過ごしてしまい、せめて罪滅ぼしにと描いたような絵です。父親が父親なら、娘も娘です。部活動がない休日は昼近くに起きてきて、ちょっと出かけて帰ってくると、午後は買ってきた漫画を超真剣に読んでいます。ほとんどの行動がスローなくせに、発売日に漫画を買うこととそれを読み尽くすスピードだけは感心するほどです。
 私の場合、絵画にせよ、彫刻にせよ、制作する時、エスキースや試作品を作るということをしません。ぶっつけ本番で始めて、そのまま完成させてしまうことがほとんどです。彫刻のように長い時間かけて造るものであれば、途中で計画変更して半身像を全身像になんてこともありますが、絵画、特に水彩画は描き始めたらもう後戻りできません。止めてやり直すという選択肢もあるはずですが、一旦描き始めたものを放棄すると、やる気まで無くしてしまいそうなので、少々構図が悪かろうが気にせず力技で仕上げてしまいます。試行を重ねていけば、作品の焦点を絞って、もっと大胆にトリミングやモンタージュをすることも可能でしょう。ただ、その分一発勝負の緊迫感は薄れます。やはり私には、考え抜かれたデザイン性よりも第一印象が持つ勢いの方が大切に思えます。何でも二度三度と同じことを繰り返すのは苦手です。