ジャクソン・ポロック


2013年 像高63cmx22cmx68cm、アクリル板55cmx66cmx1cm 麻布、樹脂、漆、木、鉄、革、アクリル板、塗料
 昨年、国立近代美術館で「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」を観ました。ポロックは若い時から好きで、過去にも二度 胸像を造りましたが、今回は(小さいサイズでいいから)絵の中に飛び込みそうな全身像を造ってみたいと思いました。会場出口に原寸大写真で再現されていた、彼のアトリエの影響もあるかもしれません。

 1950年、当時アメリカンドリームを体現したヒーローと目されていた、ポロックの記録映画製作が進められていました。その中で、ポロックは屋外のカメラの上に敷いたガラス板に乗って絵を描くよう求められ、気乗りがしないまま協力していましたが、ずっと寒い中で待たされたこともあり、相当ストレスを溜めたようです。アル中治療でせっかく2年間断酒していたのに、撮影が終わった途端、バーボンをボトルごとラッパ飲みしてしまい、結果的にそれが彼の死期を早めました。

 このポロック像制作中に、たまたまアクリル板を拾いました。表面や角に若干キズはありますが、別に絵の額にする訳ではないので問題ありません。透明な板というのが、ポロックの人生に関わるエピソードを暗示しているようで面白いと思ったので、台に使ってみることにしました。