極楽寺山門


2018年 36cmx26cm 一版多色刷木版画
5年前に描いた水彩画を下絵にして、極楽寺の山門を版画にしてみました。この技法はこれまでにも度々試していますが、私は中学1年生に重色と混色の効果や方法を教えるための教材にしています。筆で塗るのと違い、版を使うことで、補色でも濁らせずに重ねられるので、絵具嫌いの生徒の苦手意識を緩和するには便利な技法です。
元絵は真夏の午後のスケッチなので、門前には芙蓉が咲き始めていました。明るい色合いの花と葉が、強い陽射しの中、重厚な門を彩っていました。さて、鎌倉を訪れることが多かった今年の春でしたが、結局、極楽寺までは足を延ばさず仕舞いで、久しぶりにまた「天国の門」を拝むことはできませんでした。