阿修羅①


2016年 高125cm幅83cm奥行41cm 麻布、樹脂、漆、木、金箔
 以前に書いたhttp://d.hatena.ne.jp/murakami_tsutomu/20160507通り、明治時代に見つかった時の姿で阿修羅像をつくってみました。制作にあたって各部分の寸法を測ったわけではないので、プロポーションは正確とは言えません。色々な角度から写真を撮ってみると、ちょっと違うなと感じる部分も目につきます。途中で一度、実物を観に行きましたが、あとは限られた資料を見ながらの作業だったので、正直けっこう適当です。よく言えば、像のかなりの部分は印象と想像力でできています。

 サイズは実物の8割ぐらい(質量は約半分)でつくりましたので、近くで見ると荒い部分が目立ちます。もっと時間をかけて丁寧に仕上げることもできましたが、その必要を感じなかったのと、3年生が卒業するまでに完成させる約束をしていたので、突貫工事でやっつけました。表面には麻目が残っていますが、それまでなくしてしまうと、私の作品ではなく、ただの複製品みたいになってしまうので、敢てそのままにしました。同じ理由で、黒目も入れず、いつもの私の作品同様に空けてあります。