南禅寺水路閣


2016年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩
 明治時代半ばに、琵琶湖疏水橋が南禅寺境内を横切ることになった時、恐らく相当な反撥はあったはずです。何しろ三門のスケッチも許さないくらい、プライドが高い寺なんですから。でも、それから125年経った今、すっかり南禅寺の見所の一つになりました。地面に腰を下ろして絵を描いていると、遠足の小学生や外国人観光客が次々とやってきます。その中のイタリア人らしき団体が英語で話しかけてきました。水彩画は「HOBBY」か?と訊かれたので、不本意ながら「YES」と答えてしまいました。「ローマの水道橋に似てるだろう?」と言いたかったのですが、上手く言葉が出ませんでした。情けない。この季節、新緑に映えて、水路閣の煉瓦色は一際鮮やかに見えました。