2015年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩
 横浜に行く用があったので、ついでにスケッチでもしようと、真夏の三溪園に寄りました。絵になる建物はいくつもありますが、何しろ暑いので場所を決めかねている時、こいつに会いました。池の端にある藤棚の下、三人ぐらい座れる日陰のベンチを独占して寝そべっていました。次々やって来る観光客にも慣れたもので、鼻の穴まで見せて眠りこけています。「しばらくじっとしていてくれ」と念じながら、そうっと同じベンチの端っこでスケッチブックを広げましたが、色を塗り始めた途端、むっくり起き上がってどこかに行ってしまいました。描き足らない幽霊みたいな絵だけが手元に残されました。