妙高


2015年 19cmx27cm 紙、鉛筆、水彩
 六つの外輪山に囲まれてそびえる中山(なかやま)に「名香山」の漢字が宛てられ、その音読みから妙高山みょうこうさん)になったと、大学院の先生から教わったことがあります。典型的な二重火山の形をした妙高は、隣接する火打山の優雅さや黒姫山の福々しさと比べると、武骨で男っぽい感じがします。ずっと絵になる山だと思いながら、何十遍もスキーに行っておいて、一度もスケッチはしませんでした。
 という訳で、今回こそ描くつもりで出掛けたところが、折悪しく、西日本を台風が通っていました。朝起きてみると、陽は射しているのに、肝腎の妙高だけ雲をかぶっています。まあ、風もあって空の動きが速いので、いずれ晴れるだろうと高をくくって、見えるところから描き始めたのですが、いつまでたっても絡むような雲は取れず、結局、妙高の雲の絵になってしまいました。