進路指導

 受験(検)が始まり、3年生の生徒たちが一喜一憂する時期になりました。私自身も、恐らく人生最後の受験生の担任ということで、期待と不安がデッドヒートを繰り広げる毎日を過ごしています。試験が終わり、結果が出るまでの時間というのは何とも落ち着かないもので、その気持ちに関しては、入選したり選外になったりと、私自身 浮き沈みの経験が多いだけに、普通の大人よりよく分かるという自負があります。ドキドキするのは仕方ありません。でも、他人からの評価というのは、必ずしも自分の感触と一致しないことは当然ですし、結果が悪くても、そこで下を向かずに前に進むことが大事です。顔を上げていれば、時々思わぬところからチャンスが降ってくることもあります。

 さて、この彫刻は26、7年前にふとしたきっかけで買い上げてもらい、ずっと笠間日動美術館にあります。今観ると相当 粗削りで下手くそですが、ここから私の立体制作が始まったと言える記念碑的作品です。当時、私は油彩画制作に行き詰まりを感じており、ちょっと深呼吸する様な気持ちで人物像をつくり始めたところでした。すると思わぬ方向から道が現れ、物見遊山気分でここまで来た感じでしょうか。長い間、教員を続けてきたことも含め、人の進路なんて結構いい加減なものかもしれません。最近、教室でそんな話をすることが増えました。