竹田城


2016年 22cmx27cm 紙、鉛筆、水彩
 思いの外、早く朝来に着いたので、竹田城を観に行きました。以前、何度か登ったことがあり、このページで写真も紹介しましたが、最近はブームで大変な賑いだと聞きました。小高い山城の周りに雲海が押し寄せた景色が「ラピュタ」を彷彿とさせるということで、「天空の城」などと呼ばれていますが、似ているのは外観ばかりではありません。永い年月の間に建物は失われ、抽象彫刻のような石組みだけが遺された、この廃墟に漂う高貴な空気感とでもいうべきものが、実にあの映画の雰囲気に近いのです。
 今回はあまり時間もなかったので、竹田城に登ることは諦め、向かいの立雲峡から眺めてみました。ただ、間抜けなことに水を汲むのを忘れて、水入れの底に残っていた数滴を使って描いたので、スカスカの絵になってしまいました。
 駐車場に近い、第三展望台から見ると、どこに城があるのか判然としませんが、一番高い二つの峰の手前にへばり付いたように角ばっているのが天空の城の石垣です。