台について ⑦

 週末ごとに大雪で大変です。昨日は、普段なら駅から30分のところを50分かかって歩き、頭からつま先までずぶぬれで職場に着きました。温暖化が言われて久しいですが、本当か?という感じです。実際、科学者の中には本気で地球温暖化でなく、寒冷化の方を心配している人も多いと聞きます。だいたい氷河期に絶滅した生物は数知れませんが、地球の温度が上がって滅びる動物なんていたのでしょうか。恐竜だって、巨大隕石落下による日照時間不足と寒冷化が絶滅要因です。私の場合も、だんだん歳をとって、暑さより寒さの方が余程身体にこたえるようになりました。もういい加減にスキー場以外の雪は勘弁してほしいものです。

 さて、恐竜と言えば、子供の頃、私は怪獣が大好きでした。一番好きだったのは、ティラノザウルスをモデルにしたゴジラで、ソフトビニール製の人形などもたくさん持っていました。男の子は皆そうかもしれませんが、物語より、とにかくその造形が好きで、同じような話を何度でも飽きずに観たものです。
 1954年、「ゴジラ」で大ヒットを飛ばした東宝はその後、2匹目3匹目の泥鰌を狙って、「キングコング対ゴジラ」とか「モスラ対ゴジラ」なんて続編をばら撒くように作りました。幼気な子供の小遣い目当ての映画は、案の定どれも低調でした。ただ、その中で私の選ぶ「昭和の名作デザイン」も生まれています。ストーリーや設定は全く馬鹿げているとしか言いようがありませんが、やはり純粋に造形的に素晴らしかったのが「宇宙怪獣キングギドラ」です。3本の竜の首と大きなコウモリのような翼、2本の脚を持ったキングギドラの姿は神話に出てくるキメラのようにリアルで、ゴジラと共に、間違いなく昭和を代表するデザインだったと私は思います。
 「昭和」という題をつけたこの作品、(誰にも言いませんでしたが)実はキングギドラを意識して展示しました。三つ首の竜を載せた杉の古材は、左右に張り出して翼になっています。その下の台は、二本脚でそれらすべてを支えるように、アーチ形につくりました。例によって、軽く、しかも台上の重量に耐えるために、柿渋を塗った麻布とベニヤの外殻の内側には、ペットボトルを重ねたエアサスが入っています。