台について ⑥


 展覧会では、彫刻の大きさによって観る人と背丈を合わせるために、いろいろな高さの台が必要になります。70cm位の胸像であれば、だいたい1mの台といった具合です。美術館や画廊にも適当な高さの台は用意されていますが、木彫やブロンズの色を損なわないように、大抵は地味な白っぽいものに決まっています。私の作品のような彩色彫刻の場合、白い台の上に置くと浮いた感じで不安定に見えるので、それぞれ写真のように着色しました。色々な作品に合わせて使えるよう、無難な直方体にしてありますが、両手で持ち上げてみて皆驚きます。実は麻布張りの内側は中空の発泡スチロールなので、とても軽いのです。運搬のし易さも、間違いなく、作品台の大切な要素です。