鹿島神宮・楼門

2023年 32cm×25cm 紙、鉛筆、水彩

 先週、知人の結婚式で鹿島神宮に行ってきました。江戸時代創建の赤い楼門は、左右の回廊部分が修繕中で覆いを掛けられていましたが、夕日に照らされて燃え上る様な、その威容は十分描き応えがありました。屋根の下に掲げられた「鹿島神宮」の扁額は東郷平八郎の揮毫によるものだそうです。

 式の前に少し時間がありました。友人と二人、せっかくなので息栖(いきす)神社と香取神宮にも参詣することにしました。息栖神社という名前は初耳でした。鹿島と香取の両神宮から繋いだ二等辺三角形の頂点に位置する(元々の社は正三角形に近い所にあったそうですが)この神社はあまり知られていないものの、パワースポットであることが実感できました。ひっそりした境内に足を踏み入れた途端、空気がひやっと一変するのです。少し離れた浦の畔にある一の鳥居の根元から二つの清水がこんこんと湧き出しているのにも驚きました。

 時代劇で必ず道場の神棚に鹿島神宮と並んで祀られている、香取神宮はさすがに立派で、平日にもかかわらず七五三の家族連れが多く見られました。ここの楼門の扁額もやはり東郷筆でした。さすが両社とも、武道の神を祀る宮ならではの人選に(これが乃木大将だとちょっと信用ならないところですが)納得です。

 東国三社を巡り、素晴らしく綺麗な白無垢姿を拝み、ご馳走を平らげ、温泉に浸かって、茨城を贅沢に堪能した二日間となりました。