清澄庭園

2023年 22.5cm×16cm 紙、鉛筆、水彩

 木場の現代美術館にデイヴィッド・ホックニー展を観に行きました。ホックニーと言えば、私が大学生の頃にはもう世界的な人気アーティストでしたから、かなりの高齢者のはずですが、相変わらず旺盛に制作を続けていることが凄いと思います。広い会場には、何度か観たことのある初期の作品から、近年の巨大な作品まで網羅されていました。ホックニー自身は、昔から一点透視による西洋絵画の限界を語っていましたが、その逆遠近法や東洋の絵巻の研究がいよいよ自然に結実した様な、90mに及ぶパノラマ風景画は圧巻でした。

 iPadを使って描くというアイデアも、私にとっては目から鱗でした。どうしてもデジタル機器にはアレルギーがあるのですが、ホックニーの言う通り、薄暗い場所でスケッチしたい時には、画面のバックライトが強力な武器になりそうです。視力の衰えを実感するこの頃、単なる食わず嫌いで、自分の可能性を狭めることは良くないと思い直した次第です。

 ついついホックニーに感化されて、美術館の帰り(クソ暑かったのですが)、近くの清澄庭園に寄ってスケッチしてしまいました。残念ながらiPadは持ち合わせていなかったので、いつもながらの筆と鉛筆ですけど。