殿ヶ谷戸庭園・夕暮れの紅葉

2022年 22.5cm×16cm 紙、鉛筆、水彩

 11月の午後、小平市の平櫛田中美術館で展覧会を観た帰り、天気も良かったので国分寺駅まで歩くことにしました。途中玉川上水沿いの道で絵でも描こうと思ったのですが、ピンと来る景色がなかったので、そのまま駅を越えて殿ヶ谷戸庭園まで行ってみました。

 ここは前にも紅葉の時期、スケッチに来たことがあります。その時は庭内の高い位置にある東屋から見下ろすアングルだったので、今回は小径を下って池の端から描きました。夕刻が迫っていたため、慌ただしくスケッチブックを出して描き殴った様な具合です。ほとんど抽象画ですが、しばらく眺めていると、下半分の池の左寄りにある岩や、右側から張り出した岸の松などが見えてきます。木々を透かした西の空が映る水面には落葉が散り、全て丁寧に描写しようとすれば軽く2〜3時間はかかりそうな風景でした。

 でも、ここ迄4〜50分ざっと描いたところで時間切れです。11月の日は短く、4時を過ぎた頃には薄暗くなってきました。最近、鳥目が進み、ちょっと暗くなるともうダメです。ただ、それは兎も角、絵としてはもう充分かな、という気もします。別にこれ以上説明的に描き込む必要は感じませんでした。初見でわからなくても、作品に芯さえあれば表現は成立するんじゃないかと自分勝手に決めつけています。もしかしたらこれも老化の症状でしょうか。