カマキリ

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2020年 15cmx22cm  紙、鉛筆、水彩

 三階の渡り廊下でカマキリを見つけたので、捕まえて美術室の机の上に放してみました。その辺にあった紙にスケッチでもしてみようとしたら、奴は隠れ場所を求めて机の側面に移動しました。私もそちら側に移って描いたのがこの絵です。机の縁に必死でしがみ付きながら、三角の顔は警戒を怠りなくずっとこちらを向いています。腹がシシャモのメスぐらいに張り切っていたので、スケッチが終わったら直ぐ、元いた場所に戻してやりました。脱兎の如く逃げ去った、奴の加速力の源は、食われてしまった(文字通り献身的な)オスの栄養分だったかもしれません。