台湾急須と伊万里盃


2015年 22cmx15cm 紙、鉛筆、水彩
 二十数年前に、大学院の仲間と旅行した時、台湾の友人に連れて行ってもらった茶道具屋で、選びに選んで買った急須です。値段は忘れましたが、この急須の唯一無二のポイントは、持ち手の環に私の太い指が入ったことでした。故宮博物院からの帰り道、士林夜市近くの店で見つけました。
 伊万里の盃は、それよりもっと前の九州旅行で、地元の陶磁器屋のオヤジに、「あんたみたいな若い者は、こういう小さくても良いものを持っておきなさい。」と説教されて買いました。どちらかと言えば、私は磁器より陶器の方が好きですが、台湾茶にはこういう器が向いているようです。酒を注ぐには小さすぎていけません。
 さて、「若い者」だったのは遥か昔のはずなのに、つい最近のことのようにも思えます。昨日はいつもの店で皆に誕生日を祝ってもらいました。54歳といえば、同じ日生まれのジミ・ヘンドリックスの人生2回分です。いい加減、分別のある大人になってよさそうな歳ですが、まだやりたいことがあります。隠居はもう少し先になりそうです。